台湾の衛生福利部食品薬物管理署(食薬署)は2025年3月11日、日本から輸入したカレー粉が水際検査で不合格となったと発表した。フォーカス台湾が報じた。
問題のカレー粉は、新北市の輸入業者である太冠国際開発事業が輸入し、エスビー食品が埼玉県の工場で製造したものである。検査の結果、ホスフィン(リン化水素)が0.011ppm検出された。台湾の規定では、カレー粉の原料のうちチンピやローリエなどについてホスフィンは検出されてはならないとされており、ターメリックやコリアンダーなどには0.01ppmの基準値が定められている。
食薬署の林金富副署長は、日本からのカレー関連食品は全体的にはリスクが高くないとしながらも、太冠国際開発事業が輸入したカレー粉が不合格となるのは最近半年で2回目であり、同社の輸入品に対しては全ロット検査を続けると述べた。
日本で適正に使用した農薬でも、台湾の基準では違反となる、日本と台湾の残留農薬基準の違いが、これらの問題の主な原因となっている。
今年1月にも日本産イチゴから台湾の規定でイチゴから検出されてはならないと定められている殺虫剤「アクリナトリン」が2ロットに検出、殺菌剤「イソピラザム」と殺虫剤「スピロテトラマト」がそれぞれ1ロットから検出された。
現地当局の担当者は日本からのイチゴは不合格となることが多いため、検査を強化していると述べている。
この状況を受け、日本の輸出業者は台湾の残留農薬基準の確認と遵守が求められている。また、台湾側も日本産のかんきつ類やイチゴなどに対する検査体制を強化している。
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