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ベルギー連邦検察 ファーウェイをめぐる欧州議会の汚職疑惑を捜査

2025/03/14
更新: 2025/03/14

ベルギーの連邦検察当局は3月14日、中国の通信大手ファーウェイと欧州議会に関する贈収賄疑惑について捜査していると発表した。

この捜査の一環として、ベルギー国内のブリュッセル、フランデレン地方、ワロン地方、さらにポルトガルで約100人の連邦警察官が20件近い家宅捜索を実施し、複数の容疑者を逮捕した。

汚職の疑い—「犯罪組織」による継続的な工作か

連邦検察の声明によると、逮捕された人物は「欧州議会内での積極的な汚職、文書偽造、および偽造文書の使用」に関与した疑いがある。

さらに、この不正行為は「犯罪組織」によって行われた可能性があり、「2021年から現在に至るまで、商業ロビー活動を装い、政治的な立場に影響を与える報酬や、食費・旅費などの過剰な贈答品、さらにはサッカー試合への定期的な招待など、さまざまな形で慎重かつ継続的に行われてきた」と付け加えた。

検察当局は、マネーロンダリングの証拠も調査すると述べている。

その後の声明によると、事件を担当する調査判事は、関与が疑われる欧州議会の補佐官2人のオフィスに封印を施すよう指示した。

ファーウェイが利益を得ていた可能性

検察の声明によると、この贈収賄疑惑はファーウェイに利益をもたらしていた可能性があるとされる。ただし、捜査当局は関係者の氏名や詳細な情報は公表していない。

欧州議会の広報担当者は大紀元に「ベルギー当局から協力要請を受けており、議会として迅速かつ全面的に対応する」と回答した。

また、欧州委員会のトーマス・レグニエ報道官は、新たな捜査に関して具体的なコメントは控えたものの、「ファーウェイとヨーロッパの5G通信網に関する安全保障上の懸念」を改めて強調。

「5Gネットワークの安全性は、欧州経済にとって極めて重要だ。ファーウェイは他の5G供給業者と比べて、著しく高いリスクを伴う」と指摘した。

EU加盟国に対し、「ファーウェイを5Gネットワ​​ークから制限または排除する決定を下すべきだ。迅速な対応を怠れば、EU全体が明確なリスクにさらされることになる」とも警告している。

汚職とスパイ活動への懸念—欧州議会内でも議論

欧州議会の環境保護派議員ダニエル・フロイント氏は、Xに「EUの法整備を操作しようとする第三者が存在し、ブリュッセルを腐敗のないものにするために、私たちがあまりに何もしていないことを、ようやく理解できるだろうか? いい加減に理解すべきだ。我々はブリュッセルの汚職防止策を強化する努力が足りない!」と投稿した、

大紀元はファーウェイにコメントを求めたが、回答は得られていない。

一方、AP通信によると、ファーウェイのブリュッセル事務所の職員はコメントを拒否し、窓からの撮影を防ぐために室内の照明を消したという。

ファーウェイと欧州の5G規制—各国で排除の動き

ファーウェイは近年、米中間の技術・貿易・国家安全保障をめぐる対立の渦中にある。

一部の欧州諸国は安全保障上の懸念から、アメリカの方針に倣い、次世代モバイルネットワークからファーウェイの機器を排除する措置を進めている。

例えばドイツは昨年、今後5年間でファーウェイ製の5Gネットワーク機器の段階的な排除を決定。

  • 2026年までに5Gデータセンターのコアネットワークからファーウェイ製技術を撤去
  • 2029年までにアンテナ、通信回線、基地局などの中国製部品を完全に除去

こうした動きに対し、ファーウェイは一貫して「中国共産党(中共)のスパイ活動に関与していない」と主張している。

しかし、中共政府は2017年6月に「国家情報法」を制定し、すべての中国企業および市民に対し、「政府の要請があれば、いかなる情報やデータも提供する義務がある」ことを明確にしている。

このため、ファーウェイが中共政府の要求に従わざるを得ない状況にあるとの懸念が、欧米諸国の間で根強く残っている。