警察庁は、インターネット上で違法・有害情報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」に寄せられた闇バイト関連の投稿が、2024年の1年間で約1万3852件に上ったと発表した。このうち、投稿が残ったままになっていた9234件について、サイト管理者などに削除を要請し、約85%にあたる7860件が2025年1月までに削除されたと言う。
闇バイト投稿とは、高額報酬を謳いながら犯罪行為への加担を求める求人投稿を指し、SNSや掲示板を通じて広がっている。これらの投稿は、強盗や特殊詐欺などの犯罪実行者を募集するものであり、社会問題化している。
警察庁はこれまで闇バイト関連の投稿を「有害情報」と位置付けていたが、今年から「違法情報」として扱い、迅速な削除を求める方針に転換した。これにより、SNS事業者やサイト管理者には、より厳格な対応が求められることとなる。
IHCは、2006年から警察庁の委託を受けて運営されており、ネット上の違法・有害情報の監視と削除要請を担っている。同センターは、匿名での通報にも対応可能であり、市民からの情報提供を基に活動している。
警察庁によると、削除要請に応じなかった約15%の投稿については、引き続き対応が求められている。また、総務省もSNS事業者に対して、本人確認手法の厳格化や注意喚起活動の強化など、具体的な対策を要請している。
闇バイト関連の犯罪は、若者を中心に、深刻な影響を及ぼしており、警察庁や総務省は、その防止策として啓発活動や監視体制の強化を進めている。今後もデジタル空間における情報流通の健全性確保が重要課題となるだろう。
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