イオンフィナンシャルサービス(以下、イオンFS)は13日、同社が発行する「イオンカード」などのクレジットカードで不正利用が発生し、2025年2月期(2024年3月1日〜25年2月28日)に特別損失として99億円を計上すると発表した。
この不正利用は、国内カードショッピングにおける特定の決済サービスや特殊な条件下でのみ行われる一部のオフライン取引で発生した。
オフライン取引とは、カード会社による照会を行わない一部の取引のことを指す。
イオンFSによると、犯罪集団がスマートフォンにカード情報を入力し、電波が届かない状態にすることで、カード会社からの利用停止などのオンライン制御を無効化し、不正利用を繰り返していたという。こうしたオフライン取引は一定金額以下であれば即時承認されるため、不正利用が検知しにくいという特徴がある。
イオンFSは「不正利用の広がりを迅速に抑止できず、被害に遭われたお客さまへの対応が大幅に遅延したことを深くおわびする」と陳謝している。
特別損失の計上に伴い、イオンFSは2025年2月期の連結業績予想を修正した。売上高は5331億円(前期比9.8%増)、営業利益は613億円(同22.4%増)と上方修正したが、純利益は187億円(同10.5%減)に下方修正した。
イオンFSは被害者への補償を進めており、現在は新たな被害はほぼ発生していないとしている。また、再発防止策として、3Dセキュアの導入や24時間365日の異常検知モニタリング体制の強化、関係団体との情報共有の強化などを実施している。
イオンFSは1月に発表した2025年2月期第3四半期決算(2024年8月1日〜11月30日)でも、イオンカードの不正利用に関して28億円の特別損失を計上していた。
クレジットカードの不正利用は近年増加傾向にあり、日本クレジット協会によると、2021年の不正利用額は前年比30.5%増の330億円に達し、21年ぶりに過去最悪を更新したという。
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