アメリカのドナルド・トランプ大統領は、16日、大統領専用機内で記者団に対し、18日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行う予定であることを明らかにした。この会談では、ウクライナ情勢を巡る一時停戦案が主要な議題となる見通しだ。
トランプ大統領は、
「火曜日(18日)にプーチン大統領と話す予定だ。何か良い発表ができるかもしれない」
と述べ、停戦実現への期待感を示した。同時に、「ロシアとは非常に良好な関係を築いている」と強調し、協議が建設的なものになるとの見通しを示した。
停戦案の背景と課題
今回の電話会談では、アメリカが提案し、ウクライナが同意した「30日間の即時停戦案」が中心的な議題となる。この案は、ロシアによるウクライナ侵攻の停止と人道的危機の緩和を目指している。しかし、ロシア側は「危機の根本原因を取り除くものでなければ受け入れられない」としており、合意には至っていない。
また、ウィットコフ中東担当特使が13日に、モスクワでプーチン大統領と会談した際には、「前向きな雰囲気」があったものの、停戦実現には、依然として課題が残されていることも示唆された。同氏は、「ロシアとウクライナの立場の隔たりが、縮まりつつある」と述べつつも、「最終的な和平合意には時間がかかる」との認識を示している。
ウクライナ情勢の現状
ウクライナでは、現在も戦闘が続いており、西部クルスク州では、ウクライナ軍がロシア軍に包囲されている状況が報告されている。トランプ大統領は、この地域での人命保護をロシア側に求める姿勢を明らかにしており、人道的観点からも停戦協議の重要性を訴えている。
一方で、プーチン大統領は「ウクライナ側が兵士に武器を捨てさせるよう指示する必要がある」と主張しており、双方の立場には依然として隔たりが見られる。
今後の展望
トランプ政権は、今回の会談を通じて、停戦実現への具体的な進展を目指している。特使や政府関係者による協議も継続される予定であり、和平プロセスに向けた動きが注目され、トランプ大統領自身も
「今後数週間以内に何らかの合意に至ることを期待している」
と述べており、18日の電話会談がその第一歩となる可能性があると言う。
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