岩屋毅外務大臣は18日の記者会見で、日中韓3か国の外相会議を今月22日に東京で開催すると発表した。会議には中国共産党の王毅外交部長と韓国のチョ・テヨル(趙兌烈)外相が出席する予定である。
岩屋外相によると、2国間の日中外相会談や日韓外相会談も予定されている。
また今回、王毅外交部長の訪日に合わせて、「日中ハイレベル経済対話」が行われる。岩屋外相は中国共産党とともに「建設的で安定的な関係」の構築を進めていくという大きな方針の下に協力を進めると述べ、「日中関係、様々なレベル、分野がありますけれども、やはり、経済関係の協力というのも大切な課題の一つだと思っております。 様々な問題・課題もございます。水産物の輸入の話もありますし、今から成果について、予断をすることはいたしませんが、課題と懸案を一つずつ減らし、協力と連携を増やすと、経済分野においても、そういう考え方に基づいて、ともに取り組んでいく機会にしたいと考えております」と述べた。
会議終了後の共同声明発表の可能性について記者から問われた岩屋氏は、「会議終了後には共同文書が発表される予定はない」とし、日中韓外相会議の後に共同記者発表を行う予定だと述べた。
日中韓外相会議は、2023年11月にソウルで開催された日中韓首脳会談に続く外交の場となる。日本政府は今回の会議を通じて地域の安定や協力関係の強化を図る方針とみられる。
会見の詳細内容
3月18日、外務省での岩屋外相の会見発言(日中韓外相会議、日中ハイレベル経済対話関連抜粋)は以下の通り。
【岩屋外務大臣】まず、冒頭、いくつか御報告がございます。最初は、日中韓外相会議でございます。
3月22日土曜日、東京で日中韓外相会議を開催する予定です。私(岩屋大臣)が議長を務めて、中国からは、王毅(おう・き)外交部長、韓国からは、趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官が出席されます。
日中韓3か国は、言うまでもなく重要な隣国同士でございまして、この地域、そして国際社会の平和と繁栄に、大きな影響力と責任を有しております。未来志向の協力を進めていくべく、日中韓3か国の協力や、地域情勢についても、率直な意見交換・議論を行いたいと思っております。
また、この機会に、中国との間では、外相会談及び6年ぶりとなりますハイレベルの経済対話を行う予定です。「戦略的互恵関係」の包括的な推進と、「建設的で安定的な関係」の構築を進めていくという大きな方向性の下に、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくという方向で、共に取り組んでいくことを確認する考えでございます。
さらに、韓国とも外相会談を行う予定です。現下の戦略環境に鑑みれば、日韓関係の重要性はいささかも変わりません。こうした共通認識の下に、2国間関係及び地域情勢・国際情勢についての率直な意見交換を通じて、北朝鮮への対応を含めて、幅広い分野で、緊密な連携を引き続き確保していきたいと考えております。
日中韓外相会議
【共同新聞 鮎川記者】冒頭発表いただいた、日中韓の外相会談と、それぞれのバイについて関連でお尋ねいたします。まず、日中韓の3か国の方で、実務的な協力や地域情勢について話をしたいというご発言でしたが、もう少し具体的に、見通しているものをご紹介いただければと思います。
併せて、この3か国の外相で、並んで共同発表等をなされる予定があるのかどうか、あるいは成果文書を出す予定があるのかどうか、このあたりもお伺いしたいです。
また関連の日程で、日中と日韓のそれぞれの外相会談と、日中ハイレベル経済対話、これらは、いずれも22日の開催ということで良いのか、日程感を少し、午前、午後と、もし現在差し支えない範囲であれば、ご紹介いただければと思います。長くてすみません。
【岩屋外務大臣】日中韓外相会議というのは、先ほども申し上げたように、地域や国際社会に影響と責任を有している3か国で、未来志向の交流と協力を推進していこうと、国際社会を分断から協調に導く上でも、我が国に一番近い、中国、韓国との間で、そういう未来志向の関係を築くということが重要だと考えております。
これは、1年4か月ぶりの会談になりますが、王毅外交部長とも趙兌烈外交部長官とも、率直な対話をしたいと考えております。
日程については、21日金曜日に、私(岩屋大臣)が主催する、日中韓外相夕食会、ワーキング・ディナーを行いまして、22日土曜日に、日中韓の外相会議、それから、日韓外相会談、日中外相会談、さらに、日中のハイレベル経済対話を順次行っていく予定でございます。ちょっとタイトなスケジュールになりますが、しっかりこなしていきたいと思っております。
そして、共同文書の発出は特に予定しておりませんが、日中韓外相会議の後に、共同記者発表を行う予定でございます。
バイ会談の狙いは、先刻申し上げたとおりでございまして、日中関係も重要な2国間関係ですし、日韓関係も申し上げたとおりでございまして、幅広い分野について、率直な意見交換をし、未来志向の関係を築いていきたいと思っております。
日中ハイレベル経済対話
【朝日新聞 里見記者】関連でお尋ねなんですけど、どちらかと言うと日中に寄った質問にはなるんですが、ハイレベルの経済対応は、これは先ほどもおっしゃったとおり約6年ぶりということで、今回のこの開催の意義というか位置付けを一つ改めて伺いたいのが一つと、前回は自由貿易の重要性とかについて、日中で意見交換しておりますが、この国際情勢の中で、今回の主要議題みたいなものを、どのようにお考えになっているか、お尋ねしたいと思います。
【岩屋外務大臣】日中ハイレベルの経済対話は、昨年11月の日中首脳会談で調整を進めていくことを確認しましたし、その後、私(岩屋大臣)が昨年の12月に訪中をした折に、王毅部長との間で、王毅部長の方に訪日時にあわせて開催するということで、一致をしていたところでございます。
日中関係、様々なレベル、分野がありますけれども、やはり、経済関係の協力というのも大切な課題の一つだと思っております。
様々な問題・課題もございます。水産物の輸入の話もありますし、今から成果について、予断をすることはいたしませんが、課題と懸案を一つずつ減らし、協力と連携を増やすと、経済分野においても、そういう考え方に基づいて、ともに取り組んでいく機会にしたいと考えております。
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