トランプ政権は3月25日、不法移民に対する税金を使った住宅提供を、今後打ち切る方針を発表した。
住宅都市開発省のスコット・ターナー長官と国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官は、アメリカ国内の住宅支援制度の「悪用」を防ぐため、両省が協力する新たな取り組みを明らかにし、両者は、「アメリカ市民のための住宅プログラム(American Housing Programs for American Citizens)」と題した協力覚書に署名。その中で、これまで一部の税金が不法移民の住宅支援に充てられていたことを問題視し、今後はそうした支出を停止し、代わりにアメリカ国民の支援に集中させる方針を示した。
ターナー氏は、Xに投稿した動画で、
「これからは、不法移民のたに使われていた無駄な支出をやめ、本当に支援が必要なアメリカ国民に向けて使っていく」
と、語った。
ノーム氏も、
「住宅支援は、この国に合法的に暮らし、家族のより良い生活を望む人々に向けて、使うべきだ」
と述べ、支援の適正な対象を明確にする姿勢を強調した。
今回の協力覚書では、住宅都市開発省が緊急対応センターに専任職員を配置し、他機関とのデータ共有や監視体制の強化を進めると言う。これにより、不法移民が公的住宅支援を受けるのを防ぐ狙いがある。
この方針は、2月にトランプ氏が署名した大統領令に基づくもので、連邦政府が不法移民に経済的利益を与えている各種プログラムの洗い出しと、是正を命じた内容となっている。政権は、こうした制度が、不法移民の流入を助長する要因になっていると警鐘を鳴らしているのだ。
住宅都市開発省によると、移民研究センターの調査では、不法移民世帯の約59%が何らかの福祉制度を利用しており、その財政負担は、年間420億ドル(約6.3兆円)にのぼるという。特に住宅需要の高まりは、移民の多い地域で、家賃や不動産価格の上昇を招いているとして、影響の大きさを指摘した。
同省は、
「全米で約900万人が、公営住宅や補助付き住宅に住んでいるにもかかわらず、その多くが適格性の確認が不十分なまま、入居している」
と、制度の透明性向上が急務であると強調した。
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