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ルッテNATO事務総長が日本初訪問へ 岩屋外相インド太平洋地域への関与強化を要請

2025/04/04
更新: 2025/04/04

北大西洋条約機構(NATO)の事務総長であるマーク・ルッテ氏が、2025年4月8日から9日にかけて日本を訪問する。これは、ルッテ氏が事務総長に就任して以来初めての日本訪問となる。

ルッテ氏は滞在中、中谷元防衛大臣との会談や横須賀基地および三菱電機鎌倉製作所の視察を行う予定。石破茂首相や経済産業大臣武藤容治氏、国会議員らとも会談し、日本の産業界代表者とも意見交換を行う。さらに、慶應義塾大学では「NATOと日本—相互に結びついた世界における強固なパートナーシップ」というテーマで講演を行い、対話を通じて日本との関係強化を図る予定だ。

今回の訪問に先立ち、日本の岩屋毅外相は4月2日から5日にかけてブリュッセルで開催されたNATO外相会議に出席し、インド太平洋地域へのNATOの関与強化を求めた。岩屋外相は、「欧州大西洋とインド太平洋地域の安全保障は不可分である」と述べ、両地域が直面する課題に対して共同で取り組む重要性を強調した。

日本とNATOはこれまでにも協力関係を築いてきた。2023年には「個別調整型パートナーシッププログラム(ITPP)」が策定され、サイバー防衛や新興技術分野における協力が進展している。また、日本はウクライナ支援としてNATO信託基金(NATO’s Trust Fund)に約6700万ドル(約98億円)を拠出している。

一方で、NATOがインド太平洋地域への関与を拡大することについては慎重な意見もある。特に中国はNATOの動きを地域紛争の原因とみなす可能性があり、この点については慎重な対応を求める声が上がっている。