米上院は現地時間4月8日、ドナルド・トランプ大統領が指名したジョージ・グラス氏を駐日大使として正式に承認した。投票結果は賛成66票、反対32票で、グラス氏は今後、日本とアメリカの関係強化に向けた重要な役割を担うことになる。
毎日新聞などの報道によると、グラス氏は3月13日に行われた米上院の公聴会で、日本との間に存在する貿易赤字や関税問題について「厳しい議論を行う準備がある」と述べており、経済面での交渉が彼の主な課題となる見通しだ。また、防衛分野では、日本に対して米軍駐留費用のさらなる負担増や防衛費拡大を求める姿勢を示している。
オレゴン州出身のグラス氏は投資銀行業や不動産業での経験を持ち、トランプ政権下で2017年から2021年までポルトガル大使を務めた経歴を持っている。今回の指名もトランプ大統領がその「ビジネス感覚」を評価した結果とされる。トランプ氏は昨年12月、自身のSNSで「グラス氏は常にアメリカ第一主義を貫く人物だ」と述べていた。
一方で、グラス氏は日本との長年にわたる同盟関係を「平和と繁栄を推進する上で最も重要」と位置づけており、防衛装備品の共同生産や地域安全保障への協力強化といった新たな取り組みも模索していく意向だ。
グラス氏には日本との個人的なつながりもあり、彼の長男一家が13年間日本に住んでおり、6歳になる孫娘も日本の教育システムの中で育っているという。グラス氏ははこの点について、「孫娘は両国の良い部分を兼ね備えた存在」と語っている。
グラス氏はまもなく日本に赴任し、大阪で開催される2025年万博など重要なイベントにも出席する予定だ。今後、日本とアメリカの同盟関係をさらに強固なものとし、経済的・安全保障的課題に取り組むことが期待されている。トランプ政権による厳しい関税政策が両国関係に影響を及ぼす可能性もあり、今後の展開が注目される。
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