ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官は4月10日、ワシントンで開かれた閣議の席上で、近年急増している自閉症の原因を明らかにするため、アメリカが世界中の数百人の科学者を動員した大規模な調査・研究プロジェクトを開始したと発表した。
「私たちは大規模な検査および研究プロジェクトを立ち上げた。世界中から数百人の科学者が参加している。9月までには、自閉症の流行の原因を特定し、それに関連する要因を取り除けると考えている」
どの研究者がこの取り組みに関与しているかは現時点では明らかになっておらず、米保健福祉省(HHS)もコメントを控えている。
自閉症スペクトラム障害(ASD)は発達障害の一種で、コミュニケーションの困難や、てんかんなどの症状を伴うことがある。多くの人が生活スキルを高めるためにセラピーを受けている。
過去の研究では、自閉症の要因として妊娠中のステロイド使用、フッ素(フッ化物)、大気汚染などが指摘されている。
HHSの公式サイトには「環境的、生物学的、遺伝的なさまざまな要因が、自閉症の発症リスクを高める可能性がある」と記されている。
米疾病対策センター(CDC)は、ワクチンと自閉症の関連性を否定しているが、ケネディ氏はその関連の可能性を主張している。
CDCの最新の統計によると、アメリカでは現在、36人に1人の子どもが自閉症スペクトラム障害と診断されており、2002年の150人に1人という割合から大幅に増加している。
一部の専門家は、この増加は医療従事者による診断精度の向上が一因だと指摘している。
ケネディ氏は2024年、大統領選に無所属で出馬し、健康や環境問題を主な政策として掲げたが、その後選挙戦から撤退。その後、トランプ氏からの支持を受け、保健福祉長官に指名された。トランプ氏は、自閉症とワクチンの関係を調査する役割をケネディ氏に託し、アメリカを再び健康に(Make America Healthy Again:MAHA)をスローガンに掲げた。
ケネディ氏は2024年末、大紀元のインタビューで、HHS傘下の国立衛生研究所(NIH)を改革し、自閉症やその他の慢性疾患の原因を追究する方針を明らかにしていた。
「私たちは協力して、慢性疾患の流行を終わらせ、子どもたちを健康で安全に保つ」と、トランプ氏は大統領就任演説で語った。
今年2月、上院でケネディ氏の保健長官就任が承認された後、トランプ大統領は「MAHA委員会」を設立。この委員会は、アメリカにおける健康危機の根本原因を調査する目的で設置されたとホワイトハウスは説明している。
トランプ氏は4月10日、「これほど多くの子どもが自閉症と診断されているというのは衝撃的な数字であり、何らかの原因があるはずだ」と述べた。
そしてケネディ氏に対し、「君は原因が特定できると思っているのだね? その時には、前代未聞の記者会見になるだろう」と期待を寄せた。
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