中国の子供たちが「生きづらさ」に喘いでいる。
北京にある児童病院は、「登校拒否外来(中国語で拒絶上学門診)」を開設してからわずか10か月で約1万人が診察を受けたことがわかった。
心理療法や家族カウンセリング、教育現場との連携による支援が行われるこの話題の「外来」は、予約を取ろうにも全く取れない状態が続いているという。
どの診察の受付番号の背後にも、子供の涙と無力感の物語がある。
日本にも、不登校の子はいるが、中国では、日本よりももっと複雑な事情がある。この問題は単なる学校への抵抗ではなく、社会全体の構造的な問題を映し出している。
過酷な競争とプレッシャー、学校内いじめ、家庭からの過度な期待、将来への諦め。こうした要素が複雑に絡み合い、学生たちは窒息しそうになり、もはや「登校拒否」という形でしか心の苦しみを表現できない現実がある。
過剰な競争が子供を「学習機械」に変え、感情的なサポートが乏しい学校環境は、彼らを追い詰めた「圧力空間」となったとして、専門家たちは「教育の本質は軌道に乗せることではなく、成長を見守ること」と訴えている。
「親は子供を無理やり学校へ戻すのではなく、彼らの心に寄り添い、その成長を見守る姿勢であるべき」と中国メディアも専門家の意見を引用して警鐘を鳴らしていた。
それでも、残念なことに、いまの中国の子供たちの多くが、ただ「学校に行かない」と言うシンプルでストレートな手段でしか、生きづらさを訴える手段を持てないのが現実だ。

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