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社会問題 地獄のような教育環境と精神的圧迫のなかで若者は学校を拒む

中国で病院の「登校拒否外来」が大人気 子供たちの心が限界に

2025/04/15
更新: 2025/04/15

中国の子供たちが「生きづらさ」に喘いでいる。

北京にある児童病院は、「登校拒否外来(中国語で拒絶上学門診)」を開設してからわずか10か月で約1万人が診察を受けたことがわかった。

心理療法や家族カウンセリング、教育現場との連携による支援が行われるこの話題の「外来」は、予約を取ろうにも全く取れない状態が続いているという。

どの診察の受付番号の背後にも、子供の涙と無力感の物語がある。

日本にも、不登校の子はいるが、中国では、日本よりももっと複雑な事情がある。この問題は単なる学校への抵抗ではなく、社会全体の構造的な問題を映し出している。

過酷な競争とプレッシャー、学校内いじめ、家庭からの過度な期待、将来への諦め。こうした要素が複雑に絡み合い、学生たちは窒息しそうになり、もはや「登校拒否」という形でしか心の苦しみを表現できない現実がある。

過剰な競争が子供を「学習機械」に変え、感情的なサポートが乏しい学校環境は、彼らを追い詰めた「圧力空間」となったとして、専門家たちは「教育の本質は軌道に乗せることではなく、成長を見守ること」と訴えている。

「親は子供を無理やり学校へ戻すのではなく、彼らの心に寄り添い、その成長を見守る姿勢であるべき」と中国メディアも専門家の意見を引用して警鐘を鳴らしていた。

それでも、残念なことに、いまの中国の子供たちの多くが、ただ「学校に行かない」と言うシンプルでストレートな手段でしか、生きづらさを訴える手段を持てないのが現実だ。

 

2020年7月8日、中国中部の湖北省武漢市で、全国大学入学試験を終えて学校から出ていく学生たち(STR/AFP via Getty Images)

 

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!