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WHO パンデミック条約合意 「重要な一歩と受け止めている」=林官房長官

2025/04/16
更新: 2025/04/16

世界保健機関(WHO)の加盟国は16日、将来のパンデミックへの対応を目的とした「パンデミック条約」の策定交渉で合意に達した。

条約案は来月のWHO年次総会で採択される見通しだ。ただ、条約の採択には加盟国の3分の2以上の賛成を必要とし、採択後も、各国が国内法に基づいて条約を批准する必要があるため、実効性は各国の対応に左右される。

時事通信によると、今回の合意に達したことについて、林芳正官房長官は16日の記者会見で、「重要な一歩と受け止めている」と歓迎した。「世界的な健康危機に対しては、国際社会が一致して対応する必要がある」と強調した。

WHOのテドロス事務局長は「パンデミック条約の合意は、世界をより安全にするための世代を超えた合意を成立させただけでなく、多国間主義が健在であることと、分断された世界においても、各国は共通の基盤を見出し、共通の脅威に共に対応するために協力し合えることを示した」と述べた。

交渉会合は、2022年に始まってから13回の公式会合(うち9回は延長)と多くの非公式・会期中交渉を経て3年以上にわたって続いた。

条約は、新型コロナウイルス感染症による世界的影響を踏まえ、今後の感染症拡大に対し国際社会が迅速かつ協調して対応するための枠組みを整備することが目的だ。

パンデミック条約は、「予防」「準備」「対応」の3本柱を中心に構成されており、感染症が動物から人間へと拡大するリスクを低減する「ワンヘルスアプローチ」が盛り込まれた。この考え方は、人間、動物、環境の健康を一体として捉え、包括的な対策を推進するものだ。

また、医療資源やワクチンの公平な分配、感染症に関するデータの国際的な共有体制の強化なども条約の主要な項目としている。

WHOの「パンデミック条約」をめぐっては、アメリカは、今年1月にトランプ政権が発足した際にWHOからの脱退を表明し、それに伴って条約交渉からも離脱。条約交渉が難航していた。