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米類価格 過去最高の上昇率92.1% 消費者物価指数3月分で明らかに

2025/04/18
更新: 2025/04/18

総務省が発表した2025年3月の消費者物価指数(CPI)によると、家庭で消費するモノやサービスの値動きを示す「生鮮食品を除く総合指数」は前年同月比で3.2%上昇し、4か月連続で3%台の伸びとなった。このうち「米類」の上昇率は92.1%に達し、過去最高を記録したことが明らかになった。

今回の物価上昇の背景には、米類価格の異常な高騰が大きく影響している。総務省のデータによれば、うるち米(コシヒカリを除く)の上昇率は92.5%となり、食料品全体の物価上昇を強く押し上げている。東京都区部の小売価格では、2024年2月時点で5kgあたり2,300円だった米が、2025年2月には4,239円とほぼ2倍に値上がりした。

米価高騰の主な要因は、需給バランスの崩れ、流通構造の変化、投機的な買い占めや売り惜しみ、そして天候不順による収穫量の減少などが複雑に絡み合っている点にある。従来の農協(JA)経由の流通から、直接取引やネット販売が増加したことで、流通経路間での米の奪い合いが発生し、価格の上昇と流通の混乱が長期化している。

また、長年続いた減反政策(生産調整)の影響や農家の高齢化、担い手不足といった構造的な課題も、米の供給体制を脆弱にしている。こうした状況下で、米価の高騰は家計に大きな負担をもたらしており、月5kg消費する家庭では年間で2万円程度の負担増となっている。

消費者物価指数全体に占める米類の割合は0.6%と大きくはないが、米を原材料とする食品や外食への波及もあり、物価動向を考える上で無視できない存在となっている。

今後も米類価格の動向は、家計や消費全体に与える影響が大きいとみられ、政府や関係機関による対応が注目される。

大紀元日本の記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。