トランプ大統領が再び、日本市場におけるアメリカ車の販売不振に言及した。先日行われた赤沢経済再生担当相との会談では、在日米軍の費用分担と並び、アメリカ車の販売拡大を要請。「日本市場には不公正な障壁がある」との見解を改めて示した。
実際、トランプ大統領は2015年の大統領選出馬演説で「東京でシボレーを見たことがあるか? 存在しない」と語っており、日本市場がアメリカ車にとって厳しい環境であることを繰り返し訴えてきた。
その一因として同氏は、日本独自の安全・排ガス基準、認証手続きなど「非関税障壁」を挙げているが、「販売不振の理由はそれだけではない」と指摘する声もあがっている。
利便性やアフターケアに課題
日本では右ハンドルが主流だが、アメリカ車は左ハンドルが多く、また車体サイズも大きいため、都市部では運転・駐車ともに不便との声が多い。燃費や環境性能も、日本の消費者の志向と必ずしも一致しない。
さらに、部品の在庫不足やディーラー数の少なさから、故障時の対応に時間がかかるケースもあり、アフターサービス面での不安が購入のハードルとなっている。
ヨーロッパ車は成功の例に
一方、メルセデス・ベンツやBMWなどヨーロッパメーカーは、全国規模の整備体制を持ち、故障や車検の際もスムーズな対応が可能だ。これが消費者の信頼につながっている。
とはいえ、すべてのアメリカ車が苦戦しているわけではない。ステランティス傘下のジープは、日本向けに右ハンドル仕様を投入し、販売網の強化にも取り組んでおり、一定の成功を収めている。アメリカ車の市場での成功には、製品やサービスを地域や文化に合わせての最適化が不可欠だ。
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