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タイの高層ビル地震倒壊 施工の中国国有ゼネコン幹部が逮捕 違法経営と違法鉄筋使用に関与か

2025/04/21
更新: 2025/04/21

世界中で被害を生んでいる「中国式手抜き工事」の実態が、また一つ明るみに出た。

3月28日、ミャンマー中部の地震の影響を受けて、タイ・バンコクで建設中だった33階建ての政府庁舎ビルがわずか数秒で崩壊した。

震源地から約 1千キロ離れたバンコクで倒壊したのはこのビルだけだった。

47人が死亡し、40人以上が依然として行方不明となっているこの重大事案をめぐり、捜査当局は19日、違法に事業を行ったとして施工を担った中国国有ゼネコン「中鉄十局」の現地法人幹部である中国人の男を逮捕したと発表した。

そのほか、タイ人幹部3人についても逮捕状が出ており、今後、崩落原因の責任追及も本格化する見込みだ。

 

(建設中のタイ国家審計署の新庁舎が倒壊する様子)

タイ捜査当局によると崩落したビルには国の基準を満たさない強度不足の鉄筋が使われた可能性がある。

また崩壊直後、建設に関与していた中国人4人が現場から設計図や契約書など計32件の書類を持ち出そうとして逮捕されたり、翌日には施工担当の「中鉄十局」のバンコク事務所は無人となり、連絡も取れなくなる(タイメディアが報道)など、中国企業による「証拠隠滅」や「責任逃れ」を非難する声が高まった。

その他、逮捕された中国人幹部は、中鉄十局の現地法人の経営を巡りタイ人の名義を不正に利用し、外資企業の株式保有率に関する規制に違反した疑いが浮上し、タイ国内では反中国資本感情が急速に高まっている。

タイ政府は徹底調査を声明し、「中鉄十局」が関与するすべてのプロジェクトに対する全面的な調査を指示した。

 

「災害管理区域」に指定したビルの崩壊現場に無断で侵入して書類を持ち出そうとした。逮捕された中国人の1人と持ち出そうとした文書(スクリーンショット/合成)

 

手抜き工事

中国では、建築の品質や企業の社会的責任よりも、利益追求をはるかに優先する建築業者が多く、豆腐のおからのように、手で砕けるほどもろい「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ばれる手抜き工事が、以前から大きな社会問題となっている。

アメリカの上級橋梁設計技術者である竹学葉氏は「今の中国は、一見とても見栄えが良い。しかし、10年もしないうちに、おから工事災害があちこちに現れるだろう。住宅をはじめ、橋、道路、鉄道などのインフラは問題だらけだ」と警鐘を鳴らしている。

これまでも中国各地で学校校舎、学校体育館、公立病院、スーパーマーケット、集合住宅、高速道路などの崩落事故が絶えなかったが、その手抜き工事は「一帯一路」構想の名のもとに世界中に輸出されている。

世界中で低価格を武器に請け負ってきた中国企業による工事は、きょうも世界じゅうで行われている。今回の事件はその「質」に再び疑問を投げかけるものとなった。

この倒壊事故は中国企業と協力する各国に警鐘を鳴らしている。

 



またか中国の手抜き工事住宅 マンションのベランダが一斉崩落【動画あり】

建設からわずか4年でこの惨状に…中国の6階建てマンションの1階を除く全階のバルコニーが一斉崩落。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!