石破茂首相は22日午前、首相官邸でアメリカの新しい駐日大使、ジョージ・グラス氏と初めて面会した。両氏は日米同盟の一層の強化に向けて協力していく考えを確認し、在日アメリカ軍による事件・事故の防止や、トランプ政権による関税措置についても意見を交わした。
石破首相は冒頭、「トランプ大統領の信頼が厚い大使の着任は、日米間の同盟にとって大きな意義がある。今後、日米同盟をさらに強固にし、両国が世界のために何ができるか議論を深め、良い成果を得たい」と述べ、グラス大使の着任を歓迎した。これに対しグラス大使は、「今後何カ月も、何年も日本と総理と共に仕事をできるのを楽しみにしている。友情をさらに深めていきたい」と応じた。

会談では、在日米軍による事件や事故への対応についても話し合われた。石破首相は「適切な対処が不可欠だ」と強調し、グラス大使は「真剣に受け止めている。協力して働いていきたい」と答えた。
また、トランプ政権による関税措置についても意見交換が行われた。石破首相は「日米双方の利益になる幅広い協力を進めていきたい」と述べ、グラス大使は「合意に至ることについて非常に楽観的に見ている」とアメリカ側の前向きな姿勢を示した。

さらに、北朝鮮による拉致問題についても議論され、グラス大使は「拉致被害者のご家族にお会いしたい」との意向を示した。
グラス大使は実業家であり、昨年のアメリカ大統領選ではトランプ陣営の資金調達に貢献したことで、トランプ大統領との関係が近いとされている。日本政府内では、関税措置をめぐる対米交渉でグラス大使が橋渡し役となることへの期待が高まっている。
グラス大使は会談後、自身のSNSに、「トランプ大統領と石破首相が2月にホワイトハウスで表明したとおり、日米関係の新たな黄金時代が始まっています。首相をはじめ現内閣と協力して、日米の連携、経済、自由で開かれたインド太平洋の安全保障を強化していくことを楽しみにしています」と投稿した。
今回の会談は、日米両国が同盟関係をさらに強化し、地域や国際社会の安定に向けて協力していく姿勢を改めて確認するものとなった。
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