【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

テスラ収益大幅減 マスク氏「政府活動縮小し本業注力」

2025/04/23
更新: 2025/04/23

4月22日、テスラのイーロン・マスクCEOは、投資家向け電話会議で、政府効率化省(DOGE)での業務を大幅に削減し、自動車事業に注力する方針を明らかにした。この発表は、テスラが2025年第1四半期に利益と売上が大幅な減少を報告した翌日に行われた。背景には、競争の激化やマスク氏への政治的な反発がある。

マスク氏は「来月からテスラに多くの時間を割く。DOGEの主要な設立作業は完了した」と述べた。トランプ政権を支持し、「無駄や不正が再び増えないよう」引き続き関与する意向だ。

DOGEは、トランプ米大統領が1月に連邦政府の無駄な支出を削減するために設置した組織であるDOGEにおける役割は法的異議申し立ての対象となる一方、テスラの店舗や充電ステーションでの抗議活動も引き起こしている。また、一部では、テスラ車両や同社資産への破壊行為や、放火未遂が発生した。連邦政府が複数の容疑者を起訴した。

テスラは、第1四半期の純利益が4億900万ドル(約584億円)、売上が193億ドル(約2兆7599億円)で、前年比でそれぞれ71%減、9.4%減だった。自動車関連の売上は、174億ドルから139億ドルへと20%減少した。カーボンクレジット(CO₂を削減・吸収すると、それに応じた「カーボンクレジット」が発行される)による収益は5億9500万ドルで、前年比で大幅に増加した。

株主向けの書簡では、アメリカの関税をめぐる不透明さや「政治的感情の変化」が同社の売上高や収益に引き続き下押し圧力をかける可能性が高いと指摘した。トランプ政権は、自動車輸入に25%の関税を課している。テスラはアメリカで販売する車をカリフォルニアとテキサスで製造するが、部品は海外に依存していた。

テスラは、「自動車およびエネルギー市場の不確実性が高まって、急速に変化する貿易政策が、グローバルなサプライチェーンやテスラおよび同業他社のコスト構造に悪影響を及ぼし、この状況に加え、政治的な意見の変化が、短期的に当社製品の需要に大きな影響を与える可能性がある」と述べた。

マスク氏は、テスラへの抗議活動にも言及した。「無駄な資金を受け取っていた人々が、私やDOGE、関連するものを攻撃している」と述べた。アメリカでは、DOGEの活動を巡り、テスラの店舗や充電ステーションで、抗議や破壊行為が発生し、複数の逮捕者が出た。

テスラの販売台数は、第1四半期に33万6681台で、前年比13%減だった。株価は年初から37%以上下落しているが、前年比では67%上昇している。

先月、マスク氏は、DOGEでの活動が株価下落の一因だと認めた。「抗議や破壊行為は私やテスラへの圧力だ」と述べた。特別政府職員として、マスク氏は5月末までの130日間しか政権で活動できず、トランプ大統領は、マスク氏が数か月後に退任する可能性を示唆した。

マスク氏は現在、年間最大130日の勤務が可能な特別政府職員という立場にある。4月に民主党の議員らが、マスク氏は5月末までに辞めなければならないと警告する書簡を出した。

一方、トランプ氏はマスク氏が「数か月」後に辞任する可能性が高いと言った。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。