トランプ大統領は4月22日、米中間の関税戦争と貿易交渉に関して、「米中は協議に至る必要がある。北京が合意に応じない場合、アメリカは独自に協定を策定する」と明言した。また、合意が成立した場合には、中国に対する関税を大幅に引き下げる方針を示したが、関税を完全に撤廃する意向は示していない。
この発言は、ホワイトハウスのオーバルオフィスにおいて、新任のポール・アトキンス証券取引委員会委員長の就任宣誓式に臨んだ際、記者団に向けて行われた。トランプ大統領は「中国との交渉は順調に進展している。なぜなら、各国はアメリカ市場に関与したいと望んでいるからである」と語り、今後予定されている中国代表団との会談も「非常に友好的なものになる」との見通しを示した。さらに、「北京は高額関税を回避するために合意に至るほかない」との認識を示した。
トランプ大統領は、「中国は最終的に合意に至るべきである。我々は中国が交渉に参加することを期待しているが、他国も同様に合意に至る必要がある。中国が応じない場合、アメリカは独自に協定を策定する」と断言した。加えて、「我々には協定を作成する立場と能力がある。ベッセント財務長官、ラトニック商務長官、私自身、そしてその他の関係者が責任を持って協定を策定する。すべての関係者にとって公平であり、迅速な完了を目指す」と語った。
ベッセント財務長官は同日、現在の高関税について、「事実上、米中間の貿易禁輸に等しい」と述べた。アメリカは中国からの輸入品に145%の関税を課し、中国側もアメリカ製品に125%の関税を課している。ベッセント長官はワシントンD.C.での非公開投資家会合において、「中国との交渉は厳しいものになるが、現状は持続不可能であると双方が理解している」と発言した。
トランプ大統領は「145%という関税は非常に高い水準だ。フェンタニルなどに対する懲罰的関税を含め、この水準に達している。合意が成立すれば関税を大幅に引き下げるが、ゼロには戻さない。かつてはゼロだったが、その結果、アメリカは大きな損失を被った。中国はアメリカを利用してきたが、今後はそうはさせない」と断言した。
さらに、アメリカは中国に対して友好的な姿勢を保ちつつも、中国(中国共産党)がアメリカ製品を通じて自国の軍備を強化し、多大な利益を得ている現状を容認できないと明確に述べた。
交渉の進展について問われた際には、「中国と合意に至ると考えている。もし合意できない場合、アメリカが独自に関税率を設定するだけだ」と答えた。
同日、ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官はトランプ大統領の最新の見解を発表した。「大統領と政権は中国との合意に向けて道筋を構築しており、すべての関係者が貿易合意の成立を望んでいる。状況は正しい方向へと進んでいる」と説明した。
中国共産党のトップとトランプ大統領が直接電話会談を行うかどうかについて、現時点で公表できる情報は存在しない。
トランプ大統領は、他の数十か国に対して「対等」な関税率を10%に引き下げ、90日間の交渉期間を設定した。その一方で、北京との合意に対しては穏健な語調を用い、習近平との個人的な関係も強調している。
レビット報道官によれば、現在進行中の貿易交渉の一環として、他国から18件の提案が寄せられている。ベッセント財務長官が、ホワイトハウスは日本、韓国、欧州連合を含む主要15か国との合意を目指していると説明した。
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