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社会問題 法律が死んだ国

「見せしめ」裁判か 正義を代弁した弁護士に「懲役4年の有罪判決」=中国

2025/04/23
更新: 2025/04/23

「正義を訴える者に、もはやこの国には、場所がない――」

農民工(農村部出身の出稼ぎ労働者)の報酬回収のために起こした訴訟が「虚偽訴訟」とされて、昨年、一審で懲役4年の有罪判決を受けた高丙芳弁護士。

二審は4月21日、山東省の裁判所で開かれた。

高弁護士は「山東省検察院の偉い人がこの事件に介入したという確かな情報を受け取った」と法廷で訴え、自分に対する裁判所からの弾圧と司法の闇と不公正を涙ながらに糾弾していたが、最終的には絶望して言葉を失っていたことがわかった。

高弁護士の弁護人である張翼飛弁護士も、「ここまで追い詰められた被告を見たことがない。このような力づくの一方的な裁判はもう続けられない」と涙を流しながら述べた。

 

高丙芳弁護士(NTD新唐人テレビより)

 

「見せしめ」

この事件は、下請け業者による賃金未払いをめぐる民事訴訟が発端だった。建設工事の完了後、上層の業者が報酬を支払わなかったため、下請け業者が立替えて農民工に賃金を支払った。

立替えを行った下請け業者は高弁護士を雇い、農民工の名義で上層業者を訴えた。しかし、その結果、高弁護士は「虚偽訴訟」の罪に問われるという理不尽な展開となった。高弁護士は「農民工たちがすでに報酬を得ていたことを知らなかった」と主張し、虚偽訴訟の罪を不服とした。

本件を「政治的な見せしめ裁判」と見なす弁護士も多く、彼女の無実を訴える声は、国内外の法律家からも相次いだ。

高氏を支援する弁護人は、「これは彼女一人の問題ではなく、法治社会の根幹に関わる問題だ」と涙を浮かべながら訴えた。「人民のために声を上げれば、どうなるか」、当局による赤裸々な脅迫がこれだ。

高弁護士は2024年4月9日に裁判所によって逮捕された後、ずっと拘置所のなかにいたのだ。

 

イメージ画像。建築現場で働き、食事をする中国の農村部出身の出稼ぎ労働者たち(スクリーンショット)

 

「法律は死んだ」

中国において、「法律は死んだ」この言葉は、不公正にあった陳情民をはじめ、どの人権弁護士も口にする言葉だ。

下に付けた動画に映るのは、北京市の高等裁判所前で「白と黒の紙」を無言で回す市民。動画投稿者も書いたように「この市民が伝えたいことは白黒を転倒する(顛倒黑白)」ことで、中国語で「黑白」とは「是非」や「善悪」を表し、「黒白を転倒する」というと、「是非や善悪がひっくり返る」「是非や善悪が入れ替わる」などということなのだ。

 

(北京市の高等裁判所前で『白と黒の紙』を無言で回す市民)

 



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中国でまたしても小学生含む市民が無差別に切りつけられる 容疑者の男は「司法の不公」訴える

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!