中国の高速鉄道の車内の二酸化炭素(CO₂)濃度が5千ppmを超える異常値を示したというネットユーザーの実測報告が中国のネット上で波紋を広げている。
このデータは、北京から杭州への高速鉄道車内での実測に基づくもので、開始時は948ppmだったが、数値は徐々に上昇し、最終的には5584ppmに達した。
日本も中国も室内環境の二酸化炭素濃度を1千ppm以下に抑えることが求められており、その濃度は上がれば上がるほど、人体や環境に悪影響を及ぼす。
さて今回出た「5584ppm」という数値がどれほど危険性か。
二酸化炭素濃度が2千ppmを超えると、吐き気や頭痛、倦怠感などの症状を訴える人が増えはじめ、5千ppm以上になると、心拍数の増加や血圧が高くなるなどの変化が現れる。
ちなみに、1万ppm(1%)を超えると人体に危険が及ぶ「二酸化炭素中毒」に陥るリスクもある。
この報告を受け、ネット上では「乗客の半分以上が寝ているのはこれのせいか!」「乗車中にいつも眠たくてしょうがないのは車内の空気が悪いからだったのか」といった納得と、怒りの声が殺到した。
こうした状況は高速鉄道に限らず、地下鉄や動車(中国版の新幹線)でも報告されており、ネット上には乗車中の体調不良を訴える声も少なくない。
「自分は高速鉄道に乗るたびにコロナやインフルに感染する」といった声も上がっており、車内空気の質と健康被害の因果関係が疑われている。
なお、二酸化炭素濃度とは、1㎥中の空気に含まれる二酸化炭素の 割合を示したもので、0.0001%を1ppmとして表す。
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