トランプ政権の関税政策を巡る「タカ派」と「ハト派」の見解の対立について、4月22日、ルビオ国務長官が米ジャーナリストで「The Free Press」創設者のバリ・ワイス氏のインタビューに応じた。関税は、トランプ大統領の交渉戦略の一環なのか、それとも本気で進めている政策なのか、政権内から相反するメッセージが発信されているとの指摘に対し、ルビオ氏は「どちらも正しい。どちらも正当だと思う」と述べた。
政権内では、貿易顧問ナバロ氏率いるタカ派が、関税そのものを目的とし、外国競争で打撃を受けた米産業の再建に必要だと主張。一方、ベッセント財務長官のハト派的な見解は、他国に譲歩を迫り行動を促すための戦略的圧力と関税を位置づけた。
ルビオ氏は、「アメリカの将来にとって重要な産業の中には、国内での生産能力を確保する必要があるものがいくつかある」と強調し、造船や製薬産業を例に挙げた。さらに、現在のグローバル貿易が、アメリカにとって公平かどうか、広範な問題を提起した。
世界中の道路でアメリカの車はほとんど見ず、多くの国が関税や非関税障礙でアメリカ製品を締め出していると指摘し、「それはもう続けるべきではない」と訴えた。
特に欧州連合(EU)について、「EUはアメリカと同等の経済規模を持つ先進経済圏なのに、なぜ大きな貿易不均衡があるのか。持続可能ではない」と問題視している。
中国については、「輸出主導の経済だ。中国は米国に自由に輸出しながら、米国からの輸入を厳しく制限している。これは持続不可能だ」と批判。「この問題に対処しなければならない。解決に10年も待つ時間はない。1年、2年、せいぜい3年以内に解決する必要がある」と危機感を示した。
ルビオ氏は最後に、「関税はアメリカに必要な産業の保護と、アメリカの国益に見合った形で世界貿易の基準を再設定するという、二つの目的を達成するための手段だ」と結論づけた。
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