4月20日、ニューヨーク市内の複数の図書館が、地元の法輪功の修練者によるイベントを標的とし脅迫を受けた。
その夜、クイーンズ区の複数の公共図書館の支館は、「4月25日が開催予定」とした平和的抗議活動から26周年を記念するイベントの中止を求める爆破予告メールを受信した。
この脅迫は、法輪功の修煉者たちがフラッシング地区で数千人規模のパレードを行い、中国における法輪功への迫害の終息を求めた翌日に届いた。4月19日の集会は、1999年に行われた法輪功の修煉者たちの平和的な集まりを記念するもので、現在は「4・25」陳情の日として知られている。
全世界脱党支援センターは、4月19日に行われたパレードを主催した団体で、ほぼ同時に同様のメールを受け取ったことを確認した。エポックタイムズが入手したメールのコピーによると、送信者は、1999年に陳情が行われた日である4月25日にパレードが行われると誤認しており、パレード参加者に対して攻撃すると脅迫し、別の集団をニューヨーク州のドラゴンスプリングスにある神韻芸術団の本拠地に送ると述べた。
神韻芸術団は、中国政府が長年にわたり政治的・経済的圧力をかけて妨害を試みてきた、ニューヨークを拠点とする芸術団体だ。
パレードの主催者は、4月19日のイベントの規模が、送信者の注意を引いた可能性があると考えている。
クイーンズ公共図書館の広報担当者であるエリザベス・ド・ブルボン氏は、エポックタイムズに対し、図書館は4月21日に脅威について知り、フラッシング地区の図書館にいた人を避難させたと述べた。
フラッシング地区は、ニューヨーク市のクイーンズ区に位置し、大規模な中国系住民がいることで知られている。ブルボン氏は、事件の際に、プロフェッショナルで冷静な対処をしてくれたスタッフに「感謝している」と述べた。
図書館のメインストリート分館は、4月19日のパレードの終点だったが、パレードルートにない他のいくつかの分館も脅迫を受けた。
4月21日の朝、警察車両と救急車が現場に到着し、調査のために一時的に道路を封鎖した。約2時間後、警察は図書館が安全であると宣言し、正午前に再開した。
これは約半年の間に法輪功のパレードを標的にした2度目の脅迫だ。2024年9月に脅迫者は、エポックタイムズに中国語でメールを送り、ニューヨーク市ブルックリン区のチャイナタウンで行われるパレードで、複数の法輪功学習者に対し襲撃の犯行声明を出していた。
最近、同様の脅迫メールを調査したサイバーセキュリティの専門家が、これらのメールは、中国当局またはその工作員から送信されたと考えているとエポックタイムズに語った。警察の調査に詳しい情報筋は、図書館に送信されたメールのIPアドレスは、中国国内に存在するとエポックタイムズに伝えた。
フラッシングの市議会議員サンドラ・ウン(Sandra Ung)市議は、ニューヨーク市警察第109分署がクイーンズ公共図書館の職員と連絡を取り合うなど、迅速な対応に対して感謝の意を表した。
ウン氏は「私たちの街には、暴力の脅威が存在する余地はない。特に、自由な言論を抑圧したり、平和的に集会する権利を行使する人々を脅かす行為は許されない」とエポックタイムズに語った。
また「フラッシングは全米で最も多様性のあるコミュニティの一つであり、その多様性こそが私たちの強みだ」「誰もが自分の文化的、精神的、政治的アイデンティティを祝うことで不安や、疎外感を感じることがあってはならない」とし、住民に対して警戒を怠らず、不審な行動や脅迫行為を当局に報告することを望んでいると述べた。
フラッシングのニューヨーク州議会地区リーダーであるマルタ・フローレス=バスケス(Martha Flores-Vazquez)氏は、この事件がディアスポラ(自国や故郷を離れて世界中に広がって居住している状態を指す)を保護する重要性を示していると語った。
バスケス氏は「これは脅しの手法だが、私たちはそれを真剣に受け止め、ニューヨーク市の市民を守る必要がある」とエポックタイムズに語った。また「私たちはこうした行為をする者を捕まえ、見せしめにするために、情報を駆使してできる限りのことをしなければならない。なぜなら、これは世界にとって有害だからだ」と述べた。
脅迫メールは、神韻芸術団を狙った脅迫キャンペーンに類似していた。神韻は公演を通じて、中国共産党(中共)政権による法輪功への迫害を訴えている。
過去1年間に、中国古典舞踊団体である神韻やその公演会場、さらには神韻を支持する議員やアメリカ政府機関に対して、数十件の暴力的な脅迫メールが送られた。メールには、爆弾の爆発、放火、その他の暴力行為を予告しており、アメリカやその他の国の劇場では警察や警察犬の部隊を呼ぶ事態に至った。これらのすべての脅迫は、虚偽のものであることが判明している。
台湾当局が最近、これらのメールの一部は、中国から送信されていることを突き止めた。
法輪功は、真、善、忍の原則に基づく修練法だ。1999年までに、中国では約7千万から1億人が法輪功を実践していたが、中共政府はその人気を脅威と見なし、法輪功を排除するための体系的な弾圧を展開した。修煉を放棄することを拒否した学習者は、刑務所や強制労働キャンプ、精神病院に送られた。また、法輪功の修煉者は、国家によって承認された強制的な臓器摘出の脅威にも直面した。
1999年4月25日、中国の政治中枢・中南海の前で信教の自由を求めて約1万人が集まった。このイベントは秩序正しく行われ、当初、官僚は修煉者の要求を支持した。しかし、わずか3か月後、中共(CCP)は迫害を開始し、中国の国営メディアは、この集会を「包囲」事件と報じるようになった。
フローレス=バスケス氏は4月19日のパレードに参加し、その後の集会で「私たちは共に立っている」と聴衆に語った。バスケス氏は、夜の追悼集会に数時間滞在し、参加者たちと同様に、信念のために中国で命を奪われた人々を追悼するために蓮の花を持っていた。
バスケス氏は「中共は最悪のことをした」と述べ、メールによる脅迫キャンペーンは「本当に真剣に受け止めるべきだ」と強調し、「より高いレベルの政府が関与する必要がある」と述べた。
イベントの主催者の一人であるマイケル・ユー(Michael Yu)氏は、パレードの中止は、中共の目的に適うものだろうと述べ、「悪は常に光を恐れる」とエポックタイムズに語った。
FBIはエポックタイムズに対し、特定の調査を行っているかどうかは確認も否定もできないと述べ、NYPD(ニューヨーク市警察)に照会するように指示した。NYPDはエポックタイムズのコメント要請には応じなかった。
この報告はリンダ・リン氏によって寄稿された。
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