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英政府 低価格輸入品免税見直し 国内産業保護を強化

2025/04/24
更新: 2025/04/24

イギリス政府は4月23日、135ポンド以下の商品に適用される低価格輸入品の免税制度を見直し、不公平な貿易慣行に対する対応を強化する方針を発表した。この動きは、中国系ECプラットフォームによる低価格商品流入がイギリス内の小売業者に与える影響への対策とみられている。

4月23日、イギリスのレイチェル・リーブス財務大臣は、低価格輸入品に適用される関税優遇制度を精査し、国内市場における公正な競争を守る意向を示した。現行制度では135ポンド以下の商品に関税は課されないため、TemuやSheinの低価格商品が大量にイギリス市場に流入し、国内小売業者を圧迫しているとの恐れがある。

リーブス氏は声明で、「本日発表する政策は、イギリス企業と国際的な輸出業者が公平な条件の下で競争し、持続可能な経済成長を推進するためのものだ」と述べた。また、イギリス貿易救済局(TRA)では、不公平な貿易行為に対処するための監視と調査を強化する計画を明らかにしている。

TRAは「事前申請オフィス」を設置し、企業がダンピングに関する証拠を迅速に収集し、調査プロセスを円滑に進めるための支援を行う。さらに、国際貿易データを継続的に監視し、早期段階でリスクを特定する体制を構築する。

今回の政策変更は、アメリカが中国製品に対して145%の高関税を導入し、小額商品免税を廃止したことと関連しているとみられる。これにより、中国製品はイギリスやヨーロッパ市場へ流れ込む可能性が懸念されており、イギリス政府は早急な対応が必要と判断したとみられる。

国内の小売業界からはこの方針に賛同する声も上がっている。電機製品小売業者Currysのアレックス・ボールドックCEOは、中国系ECプラットフォームの商品が免税で輸入され、付加価値税や安全規制を回避している可能性があると指摘した。

「政府の発表は非常に心強い。イギリスの消費者に商品を販売する小売業者は、すべて同じルールを守り、イギリスの基準を遵守して税金を支払うべきだ」と述べた。

Associated British Foodsのジョージ・ウェストンCEOは、「低価格商品への税優遇制度を廃止することは、政府がイギリス企業を支援するための重要な一歩となる」と強調した。「この税制の抜け穴をふさぐことは、長年にわたる我々の主張である。この制度はイギリス経済や国内小売業、さらには政府の税収に大きく貢献している多くのイギリス企業を弱体化させてきた」と述べた。

陳霆