6月13日未明、イスラエルは、イランに対して先制攻撃を実施した。この攻撃は、イスラエル・カッツ(Israel Katz)国防相によって確認され、同氏は、イスラエル全土に特別な非常事態を宣言した。
カッツ国防相は、「イランへの先制攻撃後、同国からのミサイルやドローンによる報復攻撃が予想される」と述べ、「民間防衛法に基づき、イスラエル全土の民間地域に特別な非常事態を発令する命令に署名した」と発表した。
今回の空爆は、イランの核計画をめぐる国際的な懸念が高まる中で行われた。
6月12日、国際原子力機関(IAEA)の理事会は、イランがIAEAの査察官との協力に応じていないとして、20年ぶりに正式な非難決議を採択した。これを受けて、イラン当局は、国内に3か所目となる濃縮ウラン施設を設置する方針を発表し、より高度な遠心分離機への切り替えも明らかにした。
イスラエルは長年にわたり、イランの核兵器保有を決して容認しないとの立場を示してきた。これに対し、イランは核兵器の開発意図を否定しているものの、政府高官らは「イランにはその能力がある」と繰り返し強調してきた。
ネタニヤフ首相は、SNSに投稿した動画で、「イスラエルはイランの脅威に対処するため、標的型軍事作戦『ライジング・ライオン作戦』を開始した。これは国家の存続を守るための措置であり、脅威を排除するために必要な期間、継続する」と述べた。さらに、「我々はイランの核兵器開発計画の中核を攻撃した」と強調した。
イスラエル国防軍(IDF)の報道官によると、今回の攻撃は、イランの核開発計画を標的としたもので、高精度な情報に基づいて実施された。イランの核関連施設を含む数十カ所の軍事目標が攻撃され、同国の核計画に打撃を与えることを目的とした。また、この作戦は、イスラム政権による対イスラエルへの継続的な攻撃的行動への対応でもあると説明した。
アメリカが11日、情勢が不安定化する可能性があるとして、イラク首都バグダッドにある大使館の一部職員を退避させたほか、中東地域に駐留する米軍関係者の家族に対しても「自主的な退避」を選択肢として提示した。
ルビオ米国務長官は、今回の空爆について、「完全にイスラエル側の独自判断で行われたものであり、アメリカはこの攻撃に関与していない」と強調し、「我々の最優先事項は、中東に展開する米軍の安全を確保することだ」と述べた。
さらに、ルビオ氏は、イスラエル側が今回の攻撃を「自衛のため」と説明しているとし、イランに対して「これを口実に、米国の中東における利益や人員を攻撃することは容認できない」と警告した。
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