鄭志医師は、受賞歴のあるドキュメンタリー『国家の臓器』の台湾での上映会で、この計画について人々に警告した。
かつて中共軍(人民解放軍)の軍医だった人物が、何年も前に中国共産党(中共)政権による生きた人間からの強制的な臓器摘出を目撃したと証言し、中共当局は台湾侵攻が起きた際に、台湾兵士の血液、皮膚、臓器を摘出する計画を長年にわたって立てていたと語った。
現在カナダで亡命生活を送っている元中共軍医の鄭志医師は、6月4~15日、受賞歴のあるドキュメンタリー映画『国家の臓器』の複数の上映会に参加するため台湾を訪れた。この作品では、中国の軍病院で研修医として勤務していた鄭医師の目撃証言が取り上げられている。
1990年代に瀋陽軍区総合医院に勤務していた当時、中共軍は毎年戦闘計画を策定していたと、鄭医師はある上映会で語った。
「台湾海峡で戦争が勃発すれば、彼らにとって最大の課題は兵站支援になるだろう」
鄭医師は台湾海峡の前線には、200〜300万人の兵站要員を含む数百万の兵士が動員される可能性があると述べた。
中共政権の視点から見ると、「戦闘中、出血や火傷を負う兵士が多数出るため、前線への兵站補給で最も困難なのは、血液の保管、冷蔵、輸送であり、血液の供給が最大の課題になる」と語った。
鄭氏によると、中共軍の解決策は、降伏または捕虜となった台湾兵士を拘束し、彼らの血液を採取して負傷した中共の兵士に使用するというものだった。
さらに、火傷を負った中共兵に対しては、台湾兵士の皮膚を採取して移植することも提案していたという。
そのため、もし中共が台湾を攻撃し、台湾軍が降伏すれば、「戦争を維持するために大量の血液が必要となるため、彼らが最初に直面するのは、血を採られることかもしれない」と鄭氏は述べた。
また、中共軍は血液の検査および処理を行うためのモジュール式血液処理装置を開発しているとも語った。
コンテナトラックや航空機を使えば、血液は迅速に前線へ輸送され、「即座に野戦病院を設置することができる」と彼は付け加えた。
「技術的な障壁はまったくない」と鄭氏はエポックタイムズに語った。そして、中国における技術の進歩と臓器摘出産業の拡大により、台湾兵士から臓器を摘出することはもはや「可能かどうか」の問題ではないという。
「ただ数の問題だけだ」と彼は述べた。

(Jim Watson/AFP via Getty Images)
「普通の国にいる人には、このような残酷さを理解するのは難しい」と彼は語り、「中共には人間としての道徳的基準がまったくない」と指摘した。
また、降伏したり生存している台湾兵士は、中共政権から「最良の臓器および血液の供給源」とみなされているとも述べた。
ピーボディ賞受賞の映画監督レイモンド・チャン監督による『国家の臓器』は、法輪功の信仰に対する全国的な迫害の中で、行方不明になった家族を探す二つの家族に焦点を当てている。両者ともに行方不明者は法輪功の修煉者である。
1990年代後半には、約7千万〜1億人の中国人が法輪功を修煉していると推定されていた。法輪功は「真・善・忍」という普遍的な原則に従って生きることを教える信仰である。内部告発者や研究者によれば、政権が法輪功の根絶を始めると、その修煉者たちは、政権による大規模で組織的な強制臓器摘出の供給網における標的となった。
台湾の同ドキュメンタリーの主催者は、過去1年間で上映を中止するよう要求する100件以上の暴力的な脅迫を受けていると述べた。チャン氏らは、これらの脅迫は中共と関連している可能性が高く、この問題への関心が高まることに対する政権の恐怖の度合いを示していると指摘している。
台湾は2015年に移植ツーリズムおよび臓器の売買・仲介を禁止した。現在、一部の台湾の立法者は、違法な臓器取引をさらに取り締まるための法案の成立を目指している。
主な法案提出者の一人である徐志傑氏は、6月4日と6月7日に同映画の上映会に参加した。
彼はエポックタイムズに対し、肝臓や心臓の移植のために中国へ行った友人がいることを思うと胸が痛むと語った。
中国で拘束されている法輪功の修煉者全員の臓器は「国家の臓器」であり、政権は「需要に応じて殺している」と彼は付け加えた。
この報告は鍾原氏の協力を得た。
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