トランプ政権 バイデン氏の「性自認」規則撤回 トランスジェンダー政策を転換へ

2026/09/29
更新: 2026/09/29

米教育省は9月28日、バイデン前政権が教育分野の性差別禁止規定「タイトル9(Title IX)」に「性的指向」や「性自認」を含めるよう拡大した政策を正式に撤回した。これに伴い、トランプ大統領が2020年に制定した規則を連邦規則集に復活させた。

タイトル9は、連邦政府の資金援助を受ける学校で女性の「安全、尊厳、機会」を守るため、1972年公民権法に基づく法的要件を定めたものだ。

バイデン政権の規則を巡っては、2024年と25年に複数の連邦裁判所が無効と判断した。教育省は24年12月、男子と女子の運動チームの参加資格を定める規則案も撤回したが、関連訴訟が決着したのは先月だった。このため、同省は今回まで2024年規則を連邦規則集から正式に削除できなかったとしている。

リンダ・マクマホン教育長官は声明で、今回の措置により、トランプ氏が政権発足直後から進めてきた規定を復活させたと説明。「裁判所の命令と議会の意図を忠実に反映し、保護者や学生、教育機関の混乱を減らす」と述べた。

タイトル9の解釈の拡充は、バイデン氏が2020年の大統領選で掲げた公約の一つだった。バイデン政権の規則は性差別の定義を広げたほか、トランプ氏の第1次政権が2020年に制定した、大学での性的暴行の申し立てについて当事者への反対尋問を認める規則も撤廃した。

マクマホン氏によると、バイデン政権は、学校職員が学生の希望する性別に対応する代名詞を使用しなかったことなどについても調査していた。

トランプ政権は4月、前政権が5つの公立学区と1大学との間で結んだ合意を破棄し、タイトル9への違反を巡る監視・執行措置を終了した。さらに、カリフォルニア、メーン、ワシントン、ミネソタ各州の教育当局や学校を調査している。

主な争点の一つは、トランスジェンダーを自認する生物学的男性の女子スポーツ参加を認めていることだ。

大学では、ペンシルベニア大学とワグナー大学が連邦政府と合意し、男女別の競技や施設を整備するとともに、男子選手に与えられた女子選手のタイトルや記録、栄誉を女性側に戻すことになった。

全米大学体育協会(NCAA)は現在、生物学的男性の女子競技への参加を禁止しており、国際オリンピック委員会(IOC)も同様の方針を取っている。一方、高校スポーツの規則は各州の州議会や競技団体が定めている。メーン、カリフォルニア、バーモント、ワシントン各州では、タイトル9への違反を巡る申し立てがいまだに続いている。

教育省によると、ミネソタ、カリフォルニア両州の教育当局や高校競技団体は、違反認定後も連邦政府との解決合意に応じなかったため、司法省に付託された。

一方、LGBTの権利擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」は28日、トランプ政権の方針転換に反対する声明を発表した。意見公募を経ずに新規則を導入するのは「途方もない不正義」だと批判し、ケリー・ロビンソン会長は「女性や女子、性的嫌がらせや暴行、虐待を受けやすい人々が被害を受ける」と主張した。

複数の日刊紙、雑誌、専門媒体で執筆してきたジャーナリストであり、これまでに連邦政府の身元調査官やメディケア不正対策のアナリストとしても勤務した経歴を持つ。ニューヨーク州立大学バッファロー校を卒業し、現在はニューヨーク州北部を拠点に活動している。