中国の「反スパイ法」は、取り締まり対象となる行為が極めて曖昧とされる。何でもスパイ行為の疑いがかけられるので、どこで拘束されるか気が気ではない。
台湾大陸委員会の詹志宏(せんしこう)副主任委員兼報道官は記者会見で、中国へ渡航する際に「スパイのレッテルを貼られないため」の注意点について説明した。
中国共産党(中共)当局は全国で「スパイ」の逮捕を公表しており、最近ではスパイの摘発を繰り返している。当局が反スパイ活動に躍起になっている理由について、専門家らは中共の高度な不安が原因であると指摘した。
米国務省のミラー報道官は2日、中国が国民に反スパイ活動に参加するよう呼びかけていることに懸念を示し、「中国の新しい反スパイ法の施行を注意深く監視している」と述べた。
中国商務省は、米国、欧州、日本、韓国の商工会議所と30社以上の企業を招き、反スパイ法などについて説明する会合を21日に開いたと発表した。
最近、米国駐中国大使館は中国への渡航に関する警告を出した。この警告では、米国市民が中国へ旅行する際に不適切な拘留のリスクを示し、旅行の再考を求めている。
中国で「対外関係法」が7月1日から施行された。米政府は中共政権による法の恣意的な執行により、人々が自分の犯罪を知らずに逮捕される可能性があるため、中国への渡航を避けるよう米国人に警告している。
米国のマークウェイン・マリン上院議員は中国の「反スパイ法」について、拘束のリスクを避けたい米国企業は本国に戻る可能性があり、バイデン政権はそのような企業にサポートを提供すべきだと論じた。
中国の改正版「反スパイ法」により、当局はより広範な取締りが可能となった。外国人の拘束が相次ぐまか、企業はチャイナリスクの再評価を迫られている。