中国当局、軍前参謀長を送検、贈収賄の疑いで

2018/01/10
更新: 2018/01/10

中国当局は9日、中国共産党中央軍事委員会前委員の房峰輝・上将が「贈収賄罪の容疑」で、軍事検察機関に移送されたと発表した。房氏は、2012年以降、軍の指揮や作戦を管轄する統合参謀部参謀長を務めていた。昨年8月末に腐敗問題で当局に拘束された。

昨年9月1日、香港紙「星島日報」は、房氏とともに、党中央軍事委員会前政治工作部主任の張陽・上将も同時に、規律違反の疑いで拘束されたと報道した。

また、両氏とも、10月中旬に開催された党大会の代表に落選した。張氏は11月23日に自殺した。当局は28日に、張氏について「厳重な規律違反・法律違反があった。贈収賄罪、また巨額な資産の出所不明の疑いがある」と公表した。

房氏と張氏は広州軍区で、2004~07年まで同僚の関係にあった。10年7月、両氏を含む11人の軍幹部が上将の階級に昇進した。12年、房氏と張氏はそれぞれ、統合参謀部参謀長と政治工作部主任のポストに就任し、党中央軍事委員会委員に選出された。

房氏らは、汚職で失脚した党中央軍事委員会元副主席の郭伯雄氏と徐才厚氏らに重用され、出世を果たした。

 習近平氏の軍改革に不満

香港メディア「前哨」誌は昨年10月の報道で、房氏と張氏は、習近平氏の軍改革で自身の権限を弱体化されたことに強い不満を抱き、「密かに軍事クーデターを謀っていた」と示した。

同報道によると、習氏の軍改革によって、総参謀長の房氏は総参謀長から、事実上習氏の軍内秘書長で日常事務処理の役に、張氏が担当する総政治部は軍の顧問的な部署となるため、両氏とも権限は大幅に削減された。

また報道では、習近平当局は、「習氏の軍内での郭伯雄・徐才厚勢力の一掃」に抵抗し郭氏らの関係者をかばってきた房峰輝らに対し、すでに警戒していたとした。

「習当局は、党大会で党中央軍事委員会の委員再選定の際、両氏を早期退職させようとしていたが、両氏はともに反発した」「房氏らは、党大会の前に軍事クーデターを計画した。しかし情報が習氏側に漏れたため、両氏とも拘束された」

香港ニュースサイト「東網」(11月29日付)は、同月自殺した張陽氏は習近平氏に対する「クーデタ―に関与した」と伝えた。

「東網」は、郭伯雄氏と徐才厚氏の失脚後、張陽氏は表面的には両氏への批判をしたものの、徐才厚氏との親密な関係を公表しなかった、とした。

また「張陽氏は孫政才氏(昨年7月失脚)と手を組み、(6月末から続いていた)中国とインドが国境で対峙した際、党大会の前に流血のないクーデターを起こそうとした」と報じた。

(翻訳編集・張哲)