世界金融大手UBSは6日、米中通商協議による中国株への影響の見通しを発表した。UBSは、貿易交渉が決裂すれば中国A株式市場の株価相場は20%急落すると推測した。香港紙・香港経済日報が6日報道した。
報道によると、UBSの富裕層向け投資戦略および調査部門、チーフ・インベストメント・オフィスが見通し報告書を公表した。米中両国が貿易交渉で合意できない場合、双方の制裁関税合戦が激化し、中国A株式市場の株価相場は15~20%落ち込み、人民元は対ドルで1ドル=7元台まで下落するとの見通しを示した。
トランプ米大統領が5日、対中制裁関税の引き上げを表明したことで、6日の中国株式市場では株価が急落した。
主要株価指数の上海総合は、前営業日比5.58%安の2906.46ポイントで取引を終えた。深セン成分指数は同7.56%安の8943.52ポイントを付けた。上海と深セン両市場において同日、時価総額約2兆8500億元(約48兆円)が吹き飛んだ。外国人投資家による売り注文で、資金の純流出は81億9000万元(約1300億円)となった。
人民元も対ドルで大幅に下落した。6日の香港外国為替市場で、オフショア人民元は一時1ドル=6.8218元まで下落した。上海外国為替市場のオンショア人民元は1ドル=6.80元付近に下げ、過去2カ月の低水準となった。
米中通商協議の不透明感が増すなか、中国税関総署は8日、4月の貿易統計を発表した。これによると、4月の輸出は前年同月比2.7%減となった。ロイター通信は、指標はエコノミストらが事前に予想した2.3%増に反した想定外の減少だとした。
発表を受けて、8日の上海総合終値は前日比1.12%安の2893.76ポイントを付けた。同日、オンショア人民元は1ドル=6.7716元と前日比0.0109元の元安・ドル高となった。過去2カ月半ぶりの低水準。
(翻訳編集・張哲)
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