中国共産党が市民を監視する手段は、ますますエスカレートしている。上海市はこのほど、5G技術を使ったパトロールロボットを導入した。24時間作動し、顔、音声、歩行の特徴から個人を特定できるという。
中国官製メディア・人民網は9月7日、上海警察がパトロール任務にロボットを起用したと報じた。ロボットは、4つの広角ハイビジョンカメラ、1つの赤外線サーモグラフィ、1つのズームハイビジョンカメラを搭載している。カメラを備える台は最高1.8メートルまで上昇させることができる。死角はなく巡回でき、撮影映像をリアルタイムで警察に送信している。
ロボットはパトロール以外にも、場面に応じてさまざまな宣伝内容を中国語や英語で再生、拡散する。
専門家;共産党が市民に「怯えている」
上海警察のパトロールロボット導入について、北京首都師範大学の元准教授で中国歴史学専門家の李元華氏は、国際ラジオ放送「希望の声」の取材に対して、「共産党は、すべての市民を潜在的な敵だとみなしている。そのため、全部管理下に置かなければ安心感が得られないのだろう」と話した。
実際、ロボット警察は2000年代初期に中国で導入されていた。ロボット警察は2002年に警察機器の披露会「珠海市警察オープンデー」に登場している。このイベントでは、ロボット警察や緊急通信指揮車などのハイテク機器が一般公開されている。
中国共産党政権による人々の監視システムは「安定維持」を名目に、ハイテク技術を駆使し、アップグレードを重ねている。警察は、全国統合の監視システムを開発し、群衆のなかから個人を識別している。調査会社によると、中国国内では2020年までに約4億5000万台の監視カメラが設置されるという。
中国官製メディア・新華社通信は2018年3月19日、貴州省は全土で最初の声紋クラウドシステムを確立したと伝えた。声紋認識とは、音声に含まれる話者の特徴で、声の主の身元を識別する技術。
2019年7月2日、中国政府は世界初の「歩行認識」監視システムを発表した。ターゲットが顔を隠していたり、カメラを背にして歩いていても、歩行姿勢によって個人を認識する。
陜西テレビ局の元編集者で、人権活動家の馬暁明氏は大紀元に対し、「中国共産党は多額の資金を投入して開発したハイテクを、人々の監視に積極的に使う。その監視のための専門機関も作っている」と述べた。
(李心茹/翻訳編集・佐渡道世)
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