米アップル社はこのほど、香港の抗議活動の参加者が使うスマホ向けアプリ「HKmap Live 」をアップストア(App Store)から取り下げたことが明らかになった。抗議者は同アプリを通して、警官隊の動きを追跡している。
同アプリの開発者は1日、ツイッターで、アップル社からアプリの取り下げを通達されたと投稿。通知は、「同アプリは、違法行為を促す恐れがある」「ユーザーが警察の取り締まりを回避することができる」とした。
「HKmap Live 」で、抗議者は集会や抗議デモの開催場所や警察隊の位置を把握することができる。アップル社はアップストアから取り下げたが、ユーザーは同アプリのパソコン版を使用すれば、警官隊の情報を引き続き収集できる。
アプリの開発者はツイッター上で、アップル社の主張を非難した。同アプリはユーザーに情報提供や参考を目的にしているだけで、違法活動を促してはいないとした。
アップル社は2017年7月末、仮想プライベートネットワーク(VPN)アプリを中国国内のアップストアから削除したこともあった。米メディアによると、ティム・クック最高経営責任者は同年8月1日、アップルは中国当局の規制に従わざるを得なかったと発言した。
香港市民が6月に抗議デモを始めてから、香港警察の暴力が激化してきた。10月1日の抗議活動で、警官は高校2年生の男子生徒の左胸を至近距離から銃撃し、生徒が重体となった。生徒の友人は2日、英メディア「スカイ・ニュース」に対して、「警官がこれほど近い距離から彼を撃ったというのは、明らかに彼を殺害しようとする意図があった」と述べた。
また、香港で取材活動を行っていたインドネシア新聞「スアラ」の女性記者ベビー・メガ・インダさんは9月29日の抗議デモで、「プレス」と書かれたベストを着用していたにも関わらず、警官が至近距離から発射したゴム弾が顔面に当たり負傷した。インダさんの右目は完全に失明したと報じられた。
(翻訳編集・張哲)
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