[ロンドン 29日 ロイター] – 米国の非営利団体クライメト・セントラルは29日、2050年までに気候変動による沿岸冠水でリスクにさらされる人の数はこれまでに考えられていた規模の3倍以上に達するとみられ、アジア周辺や北米と欧州の複数の都市が海面上昇の影響を受ける可能性がある、との研究結果を発表した。
同研究は、各国政府が温暖化ガス排出を大幅に抑制できたとしても、水害への予防措置が十分に施されなければ、3億人の人々が住む地域が今世紀半ばまでに少なくとも年に1回は洪水に見舞われるリスクがあると指摘した。
これまでの推定では、そうした被災人口の予想規模は8000万人前後とされていた。リスクにさらされている人口の大半は、中国、バングラデシュ、インド、ベトナムの住民という。
これまでのデータでは、人の住む沿岸地帯の多くがより高い位置にあると算出し、したがって実際より安全であると示唆していた。今回の研究では、人工知能(AI)を駆使してこの算出におけるシステムエラーを修正したという。
同社の代表であるベンジャミン・ストラウス氏は「いまわれわれは、海面上昇と沿岸冠水の脅威がこれまでに考えられていたよりはるかに大きいことを認識した」と述べた。
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