米検察は、サイバーセキュリティリスクを伴う中国製の軍事監視機器を違法に輸入および販売したとして、ニューヨークの会社を刑事訴追した。同社は、中国製の機器を米国製と偽装して販売していた。
11月7日に機密解除された資料によると、司法省(DOJ)に起訴されたのは、ニューヨーク州コマックにあるアベンチュラ・テクノロジーズ(Aventura Technologies)。十数年に渡り、米国政府および個人に違法な機器を販売し8800万ドルの収益を得ていたという。
検察官によると、アベンチュラは中国から輸入された製品を、「周到な工作」により米国製と謳い販売していた。例えば、取引先の中国企業に対して、製品の回路基板から中国語の文字を消去するよう要求するなど、中国製であることを隠す作業に相当な時間をかけていた。
司法省によると、当局が購入した機器にはレーザー強化暗視カメラ、自動回転式ゲート、内蔵小型カメラなどがある。一部の機器にはサイバーセキュリティの問題が含まれるという。検察は11月6日までに違法輸入と電信詐欺により7人を起訴した。
アベンチュラの主要な顧客には米国海軍、空軍、国内歳入庁(IRS)、およびその他の連邦機関などがある。
2018年末までに、アベンチュラは米国共通役務庁(GSA)に2070万ドルのセキュリティ関連機器を販売していた。また、財務省は、2019年9月の時点で1690万ドルの取引をしていた。司法省によると、アベンチュラは自社製品を製造していない。
裁判所に提出された文書に記された、アベンチュラに機器を提供した中国の製造業者のうち2社は、セキュリティ上の欠陥のあるファームウェアを製造していると指摘されている。
2018年8月に採択された国防権限法によると、政府機関が、国家安全保障上のリスクが疑われる企業から、ビデオ監視および通信機器を購入することを禁止している。
「アベンチュラは顧客をだますだけでなく、深刻なサイバーセキュリティの危険にさらし、米国にとって敵対的な外国政府が、米国の最も機密性の高い機関にアクセスできる通路を作った」と検察官は起訴状に書いている。
(翻訳編集・佐渡道世)
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