カナダ保守党議員、留学生を支配する中国外交官の排除を提案

2020/02/06
更新: 2020/02/06

カナダの保守党議員はこのほど、大紀元の取材に応じ、カナダの大学環境のなかで、外国人留学生を操作し、言論の自由を攻撃するよう指図している中国外交官をカナダから排除すべきだと述べた。

「言論の自由を制限したり、特定のイベントへの学生の参加を阻止するよう干渉していれば、その外国の外交官はカナダで外交活動を行うべきではない」とガーネット・ ジュニュイス(Garnett Genuis)議員は述べた。

ジュニュイス議員は2月、カナダ上院議会で「大学の言論の自由を損なう外国政府の行動」という問題提起をおこなった。

カナダでは、中国での人権侵害停止を訴える活動に、たびたび中国からの留学生が騒動を起こしている。議員は、領事館や大使館、および中国共産党政府の組織が関与していると指摘している。 

例えば、2019年2月、オンタリオ州のマクマスター(McMaster)大学はウイグル人に対する人権侵害問題を周知するイベントを開いたが、中国領事館はこれを批判する文書を大学に送付した。また、中国学生学者連合会(CSSA)が、人権活動家ルキエ・トゥードッシュ(Rukiye Turdush)氏の演説を妨害し、イベントの中断を余儀なくされた。

この妨害について、中国領事館は後にウェブサイトで学生を称賛した。「私たちは中国の学生の公正かつ愛国的な行動を強く支持する」

米国下院米中経済安全保障審査委員会2018年の報告によると、中国学生学者連合会は、在外中国大使館と密接な関係があり、資金援助を受け、党の対外政策を実行する役割を果たしているという。

ジュニュイス議員はカナダ下院で「中国領事館は私たちの主権を侵害した」と主張したが、リベラル派政府は反応しなかったと批判した。

議員は、現政権の対中融和姿勢を批判した。「現在の自由党政府の態度は、カナダ人は批判や追及を避けよ、というものだ。明らかにカナダの利益と価値に反するものでさえ、抵抗することをしない」と大紀元に語った。

「他の国では受け入れられないような、主権への干渉を見て見ぬふりする融和政策がカナダを脆弱にしてしまう」

マクマスター大学の中国学生学者連合会(CSSA)は最近、外国代理組織として、学生組合によって除名された。

ジュニュイス議員は他にも、チベットの民主活動家でトロント大学4年生チェミ・ラーモ(Chemi Lhamo)さんの例を上げた。彼女が学生会長に選出されると、彼女個人のソーシャルサイトアカウントには中国語と英語で数多くの中傷が書き込まれた。なかには生命を危険にさらす脅迫もあった。

こうした暴力事件を受けて、中国政府と問題を起こさないよう、カナダの組織が「自己検閲」する傾向も見られるとした。

ジュニュイス議員は1月20日の下院議会で「学術機関の健全性の維持を怠れば国益の危機に繋がる」とし、大学における学生の言論の自由に対する外国勢力の干渉を調査するよう特別委員会に求めた。

「もちろん、留学生がカナダの価値を学び、その教訓を母国で開花させることを希望する」「しかし、これらの学生が出身国政府による継続的な脅迫と監視に遭い、家族が脅されているなら、自由と民主主義、人権、法の支配というカナダの価値を広める機会を失っているだろう」

(MICHAEL WING/翻訳編集・佐渡道世)