中国インターネット上では、新型肺炎が発生した湖北省武漢市の医療機関で、数多くの医療従事者が感染したとの情報がある。新型コロナウイルスの主要治療病院、協和医院だけで、医療従事者262人の感染を確認、または感染の疑いがあると報告された。また、最初の感染は昨年12月末にすでに発生していた。政府の情報隠蔽が、多くの医療従事者を感染の危険にさらした。
当局はこの情報を投稿したネットユーザーのSNSアカウントを封鎖した。
中国のSNS微博に投稿したのは投資会社 上善若水資産管理有限公司の創業者で会長の候安揚氏。また、ツイッターに中国国内の金融評論家・曹山石氏からも、同様の投稿があった。
両氏が投稿した情報の写真は、湖北省で行われた新型肺炎の感染拡大防止の会議で撮影されたものだとみられる。もっとも早い感染は昨年12月27日にすでに発生していた。
また、武漢市協和病院が、感染者101人と感染の疑いのある者161人、計262人と最も多い。
リストの1~11位まではすべて武漢市の病院だ。12位の漢川市人民医院と13位の鄂州市中心医院は、武漢市に隣接する市の病院。
リストに示されたデータを合わせると、武漢市の医療従事者の感染者数は計501人で、感染疑いの人数は600人に達する。
中国の感染症研究の第一人者である鍾南山氏は1月20日、中国政府系メディアに対して、新型肺炎の感染者1人に診療を行った医療従事者14人が感染したと明らかにした。中国当局は1月20日まで、ヒトからヒトへの感染を否定し、医療従事者の感染に言及しなかった。その間、医師らは無防備の状態で治療に当たっていた。
中国メディア「財新網」2月5日付は、武漢大学中南医院の重症医学科主任・彭志勇医師を取材した。彭氏は現在、応援スタッフとして武漢市第七医院の集中治療室(ICU)で診療を行っている。同氏によると、武漢市第七医院のICUに勤務する医師や看護師の3分の2が新型肺炎に感染した。ICUでは、防護服やマスク、他の医療備品の不足が深刻で、医師らは「無防備な状態」で医療活動をしている。
候安揚氏の投稿は現在削除されたが、他のネットユーザーによってSNSに転載されている。候氏の微博アカウントはアクセスできない状態が続いている。
(翻訳編集・張哲)
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