Alex Lawler Ahmad Ghaddar
[ロンドン 22日 ロイター] – 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は5月1日から日量970万バレルの減産を行うことで合意しているが、新型コロナウイルスの世界的大流行による需要急減や貯蔵能力の枯渇により、こうした合意にかかわらず、産油国はさらに減産せざるを得ない見通しだ。
OPECプラスが合意した減産量は、世界全体の供給量の約10%と、前代未聞の規模になる。しかし需要は30%程度も減少し、数週間中に原油の貯蔵スペースも満杯になる可能性があるため、この減産規模でも既に不十分とみられている。
ナイジェリア国有石油会社NNPCグループのメレ・キヤリ代表は地元紙に対し、原油の貯蔵場所が見つからないため「OPECの減産合意があろうがなかろうが、当社は減産せざるを得ない」と述べた。
IHSマークイットのジム・バークハード氏は、減産や油田閉鎖などで、この春に供給が最大日量1700万バレル減るとの見通しを示した。
エナジー・アスペクツは米国の原油生産について、今月既に発表された減産分に加え、直ちに閉鎖される油田の分が少なくとも日量130万バレルに達すると予想。今年1年間の生産量は、前年比で日量71万バレル減るとの予想を示した。
ライスタッド・エナジーのアナリスト、クリストファー・ページ氏によると、残りの原油貯蔵能力は約4億バレルで、大半が米国。これに対し、4月は在庫が1日当たり2650万バレル程度増えていると推計する。このペースが続けば2週間強で世界の貯蔵余力が尽きかねないとの見通しを示した。
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