米ホワイトハウスのロバート・オブライエン(Robert O’Brien)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、中国共産党政権は、米国の選挙に干渉しようとする国の中で「最大規模の」プログラムを実施しており、政治的影響力を行使する上で最も積極的な役割を果たしていると述べた。
オブライエン氏は記者会見で、「常にプロパガンダがある。私たちに影響を与える試みは常に存在する」「中国が最も積極的であることも知っている」と述べた。
オブライエン氏は9月はじめ、11月に控える米国大統領選挙の安全保障にとって最大の脅威は、ロシアではなく中国だとした。これは、ウィリアム・バー司法長官の見方に「100%」一致するという。
米国家防諜安全保障センター(NCSC)のウィリアム・エバニナ(William Evanina)長官は7月、中国政府は米国の政策の変化を試みており、政界関係者に圧力をかけ、中国への批判を弱めるなど、影響力を強めていると述べた。エバニナ氏はその後、トランプ政権が対中国強硬姿勢を維持していることから、中国政府はトランプ氏が選挙で負けることを望んでいるだろうと述べた。
中国が米国の選挙や政治に干渉しようとする試みは、ロシアの手法とは異なり、経済的インセンティブや強制力を利用して、企業や政治エリートに影響を与えようとするものである。さらに、中国の野望は一度の選挙にとどまらないという。
中国共産党、西側に入り込む
「中国の目標は、その思想…西側の中に入り込むことだ。これは非常に強力となり、彼らが何かを求めたら、誰もノーと言えなくなる」と、中国とロシアの戦略を研究している、ジェフ・ナイクエスト(Jeff Nyquist)氏は以前の大紀元の取材で述べた。
米国政府は最近、米国の経済界の指導者や政府関係者を標的にして中国寄りの姿勢を取るよう圧力をかけているとの警告を発している。
オブライエン氏は、中国共産党政権は米国のビジネスリーダーに影響を与えようとしており、「米国のサポートがなければ、中国でのチャンスはないと言っている」と述べた。
外部ポリシーの失敗
オブライエン氏はまた、米国の対中政策を「過去40年間における米国の外交政策の最大の失敗」と表現した。
オブライエン氏によれば、民主党の「理屈」は、中国は豊かになればなるほど自然に民主的になるということだと述べた。「知的財産を盗んだり、不公正な取引を行ったり、隣人をいじめたりするといった中国の悪質な行為には見て見ぬ振りをした」と、9月4日のホワイトハウスの記者会見で述べた。
しかし実際には、物事は反対に傾いていった。「中国の人権侵害はここ数年でますます悪化している」として、ウイグル人や他の宗教的少数派に対する共産党政権の虐待、香港の自由の破壊、台湾への攻撃的行動を挙げた。
さらに、中国政府は米国に取って代わり経済大国になることを目的に、米国の知的財産を盗むための計画を主導していると付け加えた。
「中国の対米活動は容赦ない」とオブライエン氏は言った。「こうした活動は見たことがない。ソ連との冷戦時代はそうではなかった」
トランプ政権は、中国による技術がもたらす安全保障上のリスクから、南シナ海への軍事攻撃にいたるまで、さまざまな面で北京との戦いを加速させてきた。
オブライエン氏は、トランプ大統領は40年ぶりに中国に立ち向かった大統領だと評し、トランプ政権が中国政府の不公正な貿易慣行や米国の知的財産の窃盗、人権侵害に直面して「強硬な措置」を取ったと述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)
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