インドの通信および情報技術担当大臣のラヴィ・シャンカール・ プラサッド(Ravi Shankar Prasad)氏は、世界中の大手企業は中国以外に生産ラインを設置することの必要性に気付き、米アップル社は現在、中国からインドへすでに8つの工場を移転したと明かした。インドメディア「Zee News」が報じた。
Zee Newsによれば、プラサッド大臣は9月6日、「インドは大規模な製造センターとして台頭しており、サムスンも工場移転し、さらなる規模拡大を望んでいる。アップル社は中国からインドへ8つの工場を移転したと聞いている」と述べた。
米ビジネス誌「フォーチュン」は、中印国境紛争の影響で、インドの政党や市民団体は中国製品のボイコットを開始した。ファーウェイやシャオミ(Xiaomi)などの中国製携帯電話の市場シェアが急速に低下したため、他社はインドでの生産能力を拡大したと報じた。
今年7月、台湾のフォックスコン(鴻海)やウィストロン(緯創)などアップルの製造請負会社がインドでの生産能力を拡大していると伝えられた。 また、アップルの主要サプライヤーであるペガトロン(和碩)も、インドのチェンナイで支店の設立を申請し、工場の設立に取り組んでいると米メディア・テッククランチが報じた。
中印両国の緊張が高まるなか、サムスンはインド市場に回帰し、第二位のスマートフォンブランドとしての地位を取り戻した。現在、同社はインドのウッタル・プラデーシュ州ノイダに世界最大のスマートフォン製造工場を所有し、今年8月にもインドでの生産ラインの拡大を決定したという。サムスンは今後5年間で少なくとも400億ドル相当の携帯電話およびその他のデバイスを生産する予定だという。
プラサッド大臣は「私が2014年に最初に就任したとき、インドには携帯電話工場が2つしかなかったが、現在は250を超えている。モディ首相の「Atmanirbhar Bharat」(自立インドミッション)の呼びかけに沿って、多国籍企業をインドに招致し、インド企業もマッチングさせた」と語った。
同氏はまた、「中国と衝突が起きたとき、私たちの首相は断固として立ち上がり、インドは主権に関して妥協しないということを明確にした。このインドの大胆な姿勢は、米国、英国、日本からオーストラリアまで世界的に認知されている」と述べた。
中印の国境衝突以来、インド当局は中国最大チャットアプリのウィーチャット(WeChat)、短編動画投稿アプリのティックトック(TikTok)、検索エンジン大手のバイドゥ(百度)、決済アプリのアリペイ(支付宝)、電子商取引大手のタオバオ(淘宝)およびモバイルゲームを含む200以上の中国製アプリを禁止した。これにより、ティックトックの最大の海外市場を遮断しただけでなく、バイドゥおよび多くのモバイルゲームが禁止されたわずか2日後には親会社のテンセント(Tencent)社に340億ドル以上の損失が出たと「ビジネスインサイダーインド」が報じた。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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