トランプ米大統領は11月12日、米国の資本を搾取して軍の発展と近代化させる中国共産党の脅威に対処するため、国際緊急経済権限法に基づく国家緊急事態を宣言した。
大統領令に合わせてトランプ氏は上院議長、下院議長に書簡をあてた。
このなかで、「中国共産党は『軍民融合』という国家戦略を通じて、中国の民間企業に軍事・諜報活動を支援させることで、国の軍産複合体の規模を拡大させている。これらの企業は、表向きは民間企業でありながら、中国の軍事・諜報・安全保障装置を直接支援し、その開発と近代化を支援している」と詳述した。
そして、中国企業は米市場に上場し有価証券を発行して、米国の資本を調達しており「中国は米国の投資家を利用して軍の開発と近代化に資金を提供している」と指摘した。
書簡のなかで「中国は大量破壊兵器、高度な通常兵器、米国とその国民に対する悪意のあるサイバー攻撃を開発・展開するなど、米国内と海外の米軍を直接脅かしている」とその脅威の深刻さを訴えた。
トランプ氏は同日、国防総省が中国軍の支援を受けていると特定した中国企業31社に、米企業や個人の新規投資を禁止する大統領令にも署名した。2021年1月11日から有効になる。
これらの31企業はAI監視カメラ大手のハイクビジョン、通信機器の華為技術、原子力大手の中国広核集団、宇宙技術開発の中国航天科技集団、シノケム(中化集団)、三峡ダム運営企業など多岐にわたる分野となっている。
この大統領令に適切な規則や規制は国務長官や国家情報局長らが取り決め、すべての権限の行使は財務長官に委譲されるとしている。
トランプ氏は第一次政権の終わりに、強硬な対中政策を打ち出した。この動きについて、米国サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクールの謝田教授は、トランプ氏は大統領選挙の勝利を見越して第二次政権も引き続き、中国共産党による浸透を排除する政策を継続するとみている。
(翻訳編集・佐渡道世)
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