中国共産党の国際犯罪組織認定、米元高官がバイデン政権に期待

2021/02/04
更新: 2021/02/04

米国防総省で次官補代理を務めたフランク・ガフニー(Frank Gaffney)氏は1日、バイデン政権が中国共産党国際犯罪組織に指定すべきだとの見方を示した。同氏は、中国共産党政権が中国国民だけを抑圧しているのではなく、米国内に致死性の高い薬物を密輸したり、米企業の技術を窃取するなど、米国民に対しても犯罪行為を繰り返していると指摘した。

現在、非営利団体「迫害されたキリスト教徒を救う会(Save the Persecuted Christians)」の主席を務めているガフニー氏は、中国の伝統気功グループ、法輪功の学習者、仏教徒、イスラム教徒などに対する中国当局の弾圧に強い関心を寄せている。同氏は、「バイデン政権は、中国当局の宗教抑圧について、立場を明示すべきだ」と大紀元に語った。

ガフニー氏は、法輪功学習者らに対する強制臓器収奪を含む、中国当局による各信仰団体への迫害は「言葉で言い表せないほど残酷だ」と述べ、中国共産党政権は「人道に反する罪を犯した」とした。

中国当局が法輪功学習者を主要対象者として行っている強制臓器収奪は2006年、初めて報じられた。以来、カナダの人権弁護士のデービッド・マタス氏らや国際人権組織などは、独立調査を行った。英国に本部を置く国際団体「民衆法廷」は昨年3月、強制臓器摘出に関する報告書、「中国・民衆法廷の裁定」を発表した。報告書は「大規模な強制臓器摘出は中国各地で長年続いている。法輪功学習者は臓器の供給源の1つであり、さらにその主要供給源である可能性が高い」との見方を示した。

ガフニー氏は、米トランプ前政権が今年1月、中国当局の新疆ウイグル自治区での弾圧政策を「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定したことは不十分だとした。

「中国共産党政権を国際犯罪組織に指定することで、宗教抑圧などに使われる資金源を止めることができる」

ガフニー氏は、中国共産党政権は米国民にも罪を犯したと強調した。同氏は「中国側の対応遅れで新型コロナウイルスが米国で大流行した。中国当局がフェンタニル(鎮痛剤などとして使われる合成オピオイド)を米国に輸出したことで、毎年多くの米国人が命を失っている。しかも、中国当局による知的財産権侵害は、米経済に莫大な損失をもたらし、国民の雇用機会を奪った。米国で広範囲にスパイ活動を続けている」と挙げた。

同氏は中国当局による宗教弾圧、世界各国に対する犯罪行為を止めさせるために、欧米諸国の金融機関や企業からの資金提供をまず止めるべきだと主張した。

2013年5月、オバマ政権と中国当局が締結した協議では、「中国企業が米国内の資本市場に進出することを認められた」という。

ガフニー氏は、「一部の専門家の試算では、中国当局は米資本市場から3兆ドル(約316兆円)の資金を調達した」と述べ、中国当局はこの莫大な資金を基に、巨大経済圏構想「一帯一路」を通して世界覇権を狙っていると危惧している。

同氏は、「バイデン大統領は、中国共産党を国際犯罪組織に指定する権限がある」とバイデン氏に行動を起こすよう促した。

昨年10月、米下院のスコット・ペリー(Scott Perry)議員らは、中国共産党の国際犯罪組織認定を要求する決議案を議会に提出した。決議案は、中国共産党への起訴と制裁措置も求めている。

(記者・李辰、翻訳編集・張哲)