世界最大の半導体ファウンドリー台湾積体電路製造(TSMC)は、200億円を投じて茨城県つくば市に研究開発拠点を設けることを計画している。日本で新会社を立ち上げて、新事業部門の設立も視野に入れる。複数の日本メディアが9日までに報じた。
NHKによれば、TSMCは9日の取締役会で、100%出資する子会社を日本に設立することを決めたという。
TSMCは1月14日、オンライン法人説明会で、2021年の設備投資額が昨年比45%アップの250~280億ドルになる見通しであることを発表していた。これ以上の設備投資を行う場合は自動車チップを優先すると表明していた。主要な自動車チップサプライヤーの多くはTSMCに外注している。
TSMCは同説明会のなかで、日本での材料の研究開発センター設置を検討中であることを明らかにした。また、日本の研究開発センターが開所する場合は単独出資になるとの方針を示した。
この報道に先んじて、台湾メディアは、日本の経済産業省がTSMCとともに生産工程の後半工程であるパッケージ作業を行う施設の開設を計画していると報じていた。
2019年、経済産業省は2000億円を計上し、日本の半導体製造能力を育成する計画を立てた。日本には複数の大手半導体部品メーカーがあるものの、最先端の半導体設計センターやハブはない。日本は、世界的な地政学的緊張の高まりや、米国の半導体メーカーの現地化の動きに対応するため、TSMCなど世界有数の半導体関連企業を誘致することで先端技術の向上に協力を求めていた。
TSMCは1月、2020年の売上高と税引後純利益がいずれも過去最高を記録したと発表した。2020年に米国が中国の電子機器大手・華為技術を追加制裁した後、TSMCは同社への半導体供給を停止した。制裁の影響を回避するため、アップルやインテルなど国際的なメーカーからTSMCへの注文が増加した。
(翻訳編集・佐渡道世)
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