フランス「反ファーウェイ法」は合憲 最高裁判所が判決

2021/02/10
更新: 2021/02/10

フランス国内大手通信会社2社が、中国ファーウェイ社製品の規制を定めた「ネットワークセキュリティ法(通称・反ファーウェイ法)」は合憲性が疑われると訴えた裁判で、憲法裁判所は5日、同法は合憲だとの判決を下した。これにより、通信会社は2028年までにファーウェイ設備の段階的な撤去を強制される。

フランスの最高裁判所にあたる憲法裁判所は、立法府は「5Gが提供する新機能によってもたらされる新たなスパイ行為や著作権侵害、妨害行為のリスクから、モバイルネットワークを保護するための国家防衛および国家安全の維持という目的を考慮して」ネットワークセキュリティ法を制定したと説明した。ブイグテレコムとSFRの2大通信会社の訴えを退けた。

フランスは現在、ファーウェイ設備の使用禁止を明確にしていないものの、国家情報システム安全局(ANSSI)は昨年成立したネットワークセキュリティ法に基づいて許可証の発行を厳格化した。

ANSSIは昨年7月、ファーウェイの5G製品を購入しようと計画する企業に対し、許可証の更新はできなくなると通達した。

ブリュノ・ル・メール経済財務復興相は以前、フランス政府は国内でファーウェイを全面的に禁止することはないが、国家安全保障等のセンシティブな分野に保護を与えると述べた。「私たちはファーウェイの5Gにおける投資を禁止せず、いかなる企業も差別しない。しかし、私たちは国家の安全と敏感地域を保護しなければならない」

仏2大通信会社は、すでにファーウェイ製品のアンテナなどを使用してネットワーク構築を半分以上完成させていた。ブイグテレコムとSFRの両社は、設備の交換には高額の費用が発生するため国家賠償を要求するとしている。

しかし、フランス政府は昨年9月、ファーウェイ設備を撤去するのに生じた損失を補填しないことを決定した。

アメリカ司法当局によると、ファーウェイは中国共産党政権のためにスパイ活動を行っている疑いがある。フランスのみならず、イギリスとスウェーデンは昨年、5Gネットワーク構築からファーウェイを排除することを表明した。

(翻訳・王文亮)