WHO調査団、武漢研究所のウイルス漏えい「可能性低い」 ポンペオ氏が反論

2021/02/10
更新: 2021/02/10

世界保健機関(WHO)は9日、中共ウイルス新型コロナウイルス)の発生源について、武漢ウイルス研究所から漏えいした可能性は低いとの見方を示した。米国のポンペオ前国務長官は米メディアに対して、WHOの見解を否定し、同研究所からの流出を証明する「重要な証拠はある」と強調した。

WHOの調査チームは1月29日以降、武漢で現地調査を行っている。調査団は9日、中国で中国側の専門家らと共に記者会見を開いた。

WHOのピーター・ベン・エンバレク(Peter Ben Embarek)氏は会見で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の大流行の原因は、武漢ウイルス研究所からウイルスが漏れたことにあるとは「考えにくい」と述べた。

ポンペオ氏は同日、米フォックスニュースの時事番組に出演した際、エンバレク氏の発言に関する報道を目にしたと話し、WHOの調査結果を批判した。

同氏は、「われわれ(トランプ前政権)がWHOから離脱した理由は、この組織が腐敗していると知っているからだと言わざるを得ない」「WHOはすでに政治化した」「(WHOが)習近平総書記に服従している」とコメントした。

ポンペオ氏は、「彼ら(WHO調査団)が共産党員の監視を受けることなく、研究所にあるすべての情報やすべての書類を調べ、医師らに自由に話を聞くことを望む」と述べ、WHOの現地調査が中国共産党政権に妨害された可能性があると懸念した。

前国務長官は、「これ(中共ウイルス)は、この実験室(武漢ウイルス研究所)から流出した」との見解を再強調し、「十分な証拠を把握している」とした。

ポンペオ氏が国務長官を離任する前の1月15日、国務省は武漢ウイルス研究所に関するファクトシートを公開した。

ファクトシートは、武漢ウイルス研究所とCOVID-19の発生源の関連性について、3つの疑問を呈した。1つ目は、武漢ウイルス研究所内の病気。研究所の研究員数人が2019年秋に発症し、COVID-19と一般的な季節性疾患の症状に一致した。2つ目は、少なくとも2016年から、同研究所の研究者は「RaTG13(中共ウイルスに極めて近いウイルス)」を含むウイルスの研究をしていた。COVID-19の感染拡大まで、実験は続けられていた。3つ目は、同研究所は秘密の軍事活動を展開している。

国務省はファクトシートで、「COVID-19の発生源に関して信ぴょう性のある調査を行うには、すべての施設、研究者、記録資料、サンプル、武漢の研究所を含め、完全で透明性のあるアクセスが必要だ」と示した。

(翻訳編集・張哲)