コットン米上院議員らが新法案提出、中国最恵国待遇の取り消しを目指す

2021/03/19
更新: 2021/03/19

米共和党のトム・コットン上院議員らは18日、過去20年間にわたる、中国に対する恒久的な最恵国待遇(MFN)の供与を取り消す法案を提出した。

コットン上院議員、ジム・インホーフ上院議員とリック・スコット上院議員3人が、この「中国貿易関係法(China Trade Relations Act)」を提出した。法案は米大統領に対して、毎年定期的に中国との貿易関係を見直した上で、最恵国待遇の資格承認を要求する。また、法案は中国への最恵国優遇付与を承認する際、中国の人権状況と不平等な貿易慣行をチェック項目にすることを提唱した。

コットン議員は声明で、「中国は20年間にわたって最恵国待遇を維持してきた。これが米製造業の失業者の増加に拍車をかけている。今こそ、米国の雇用を守り、中国共産党に強制労働収容所や残酷な人権侵害の責任を取らせるべきだ」とした。

同議員は、中国当局が世界貿易機関(WTO)に加盟した後、中国の対米輸出が急増し、米国人労働者約200万人が失業者となり、また中国側の対米投資が急拡大した結果、米国への影響力も増大したと批判した。

2000年、当時のクリントン大統領は米議会で可決された対中恒久的通常貿易関係(PNTR)法案に署名した。米政界の後押しを受けた中国当局は、翌年11月、WTOに加盟した。これを受けて、PNTR法案は正式に発効した。ブッシュ政権は2002年1月1日、PNTR法に基づき、中国当局に恒久的な最恵国待遇を与え始めた。PNTR法では、最恵国待遇を供与するにあたって、毎年定期的な見直しは必要としない。

一方、インホーフ議員も声明を発表し、「20年前にも言ったが、今日もう一度言う。貿易を追求するあまり、中国共産党政権の実態が見えなくなることを許してはいけない」、中国当局による米国や台湾への挑発、軍事力拡大、米国の核技術や他のハイテク技術の窃盗、米政界への介入など警告した。議員は、「中国の恒久的な特恵貿易関係を終わらせることは、中国共産党に強いメッセージを送ることになり、米労働者の支援となる」と強調した。

議員らが提出した「中国貿易関係法」は、共産国家を対象とする米通商法のジャクソン・バニク修正条項(Jackson-Vanik amendment)の適用範囲の拡大を目指している。中国当局が、「いわゆる『職業訓練と教育センター』あるいは他の強制収容所を運営する」「信仰の自由への妨害」「囚人らの同意を得ず臓器を強制摘出する」「米国で産業スパイ活動を行う」などの項目で違反行為がみられた場合、最恵国待遇の資格は喪失する。

クリス・スミス下院議員はすでに下院に関連法案を提出した。

(翻訳編集・張哲)