豪アデレード大学(Adelaide University)は潤沢な研究資金を約束したいくつかの中国の科学研究協力プロジェクトを拒否した。中国の軍事技術研究に関連している可能性があるためだという。同国メディアが14日、報じた。
アデレード大学が議会委員会に提出した資料によると、却下されたプロジェクトのなかに300万豪ドル(2億5100万円)の資金が提供される予定のものもある。
この高額なプロジェクトは、先端材料の研究に関するもので、軍事利用される可能性があるとされている。
同校の調査で、資金は中国と繋がりの深い香港企業によって提供され、マネーロンダリングにも関連している可能性があることがわかった。
アデレード大学によって却下されたもう1つのプロジェクトは、中国・深センの企業によって提案されたコンピュータのセキュリティと安定性に関する研究だ。
この2つのプロジェクトは、豪政府が2018年に「反スパイ法および外国干渉防止法」を成立させる前に却下された。
同法の導入後、アデレード大学はさらに5つの共同協力プロジェクトを拒否した。
同大は昨年8月、防衛研究や核兵器に関わるある研究を、高リスクプロジェクトと判断し、却下した。大学側の提出書類には「共同プロジェクトの防衛研究分野に関するものが非常に多く、違法輸出にも関与していた」と書かれている。
アデレード大学の経営陣によると、同校は防衛研究においてはオーストラリアで最も進んだ大学の1つであり、最近の国際協力の本質的な変化を警戒しているという。
オーストラリアの外務・貿易省次官で元駐中国大使でもあるフランシス・アダムソン(Frances Adamson)氏は13日、アデレード大学で講演し、中国は既存の国際基準に「挑戦し、それを弱体化させている」と指摘した。
前日の12日、同国のクリストファー・パイン(Christopher Pyne)前国防相も、同大学での演説で、「中豪両国は今後5~10年の間に、戦争が勃発する可能性がある」と警告を発した。
同氏によれば、それはサイバー戦争ではなく、死傷者が出るような「リアルな戦争」だという。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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