中国当局がかつて国連に提出した文書で「中国の実験室から人工ウイルス漏洩のリスクがある」と認めていたことがわかった。
豪紙オーストラリアン(The Australian)の調査記者で司会者のシャリ・マークソン(Sharri Markson)氏は27日、中国が2011年11月23日に国連に提出した「生物兵器および毒物兵器の発展、生産および保存の禁止条約」(Convention on the Prohibition of the Development, Production and Stockpiling of Biological and Toxin Weapons)と題する文書を公開した。
中国はこの文書で、中国の実験室からウイルス漏洩の可能性があるとしたうえで、現実となれば「全人類に影響を及ぼす」との認識を示した。
過去1年半の間、中共ウイルス(新型コロナウイルス)は事故で武漢ウイルス研究所から流出した可能性を多くの科学者が指摘したが、「陰謀論」として片付けられてきた。
マークソン氏は豪スカイ・ニュース27日付の記事で、中国はそのリスクを十分に認識しているため、2011年に同文書を国連に提出したと指摘した。
また、豪紙オーストラリアン28日付によれば、関連文書は、人工ウイルスの研究は「生物兵器の隠匿性を高めることができるうえ、生物兵器の破壊力が大幅に増加する」ことについて言及していたという。
同文書はまた、「外来遺伝子(foreign genes)またはウイルスを無症状の形でターゲットに導入し、密かに生物兵器攻撃を仕掛けることができる」とした。
トランプ前政権の国務省で中共ウイルスの起源調査タスクフォースを指揮し、現在米シンクタンク・ハドソン研究所(Hudson Institute)で上級研究員を務めるデービッド・アッシャー(David Asher)氏は「スカイ・ニュース」に対し、この文書の重要性について指摘した。
アッシャー氏は、中国政府は人工ウイルス実験を通じて、強力な生物兵器を生み出す可能性をすでに知っていたことを、この文書が示したと述べた。
マークソン氏は5月初旬に、豪紙オーストラリアンで、中国軍の科学者と保健当局者が2015年に作成した文書をスクープしていた。同文書の中で、著者らは「第3次世界大戦は生物戦争になる」と主張した。マークソン氏によれば、米国務省は昨年5月にすでに関連文書を入手していたとした。
同氏は6月にも、「スカイ・ニュース」を通じて、武漢ウイルス研究所がコウモリを飼育していたことを示すビデオを公開した。
マークソン氏は今年9月に新書『What Really Happened in Wuhan(中国語:武漢真相)』を発行する予定だ。同書でウイルス起源に関連する調査研究について開示し、上述文書やビデオについても言及するという。
(翻訳編集・李凌)
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