中国共産党100年「残虐な殺人の歴史」 紅二代の歴史学者が明かす

2021/06/30
更新: 2021/06/30

中国共産党幹部の家庭に生まれた「紅二代」の歴史学者である李江琳氏は、米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の最近のインタビューで、中国共産党(以下、中共)の100年にわたる歴史が、残忍で血なまぐさい殺人の歴史だと述べた。

インタビューの中で李氏は、「研究を進める中で、私の認識を最もひっくり返したのは、中共が一連の政治キャンペーンで、敵だけでなく自国民をも残酷に殺害したことだった」と語った。

「この過程でわかったのは、中共が発足から現在に至るまで、すべての政策で用いられた手法は、ただひたすら人を殺すという極めて残忍で暴力的なものだということだ。それは今でも変わっていない」

2013年1月27日、歴史学者の李江琳氏が香港を訪れ、新著の紹介と中共によるチベット人弾圧の歴史について語った(Kwong Tin-ming / The Epoch Times)

同氏はまた、具体的な例を挙げて説明している。1959年のラサ事件から1989年の北京天安門事件まで、中共は漢民族と少数民族を問わず、同じ手法を用いていた。中共はチベット人を大量に投獄し、チベット人のエリートをほぼ一掃した。同じことが新疆ウイグル自治区のウイグル人にも行われた。

「エリートを買収したり、でっち上げた容疑で逮捕・殺害したりして支配するという手法は、1957年の反右派闘争(反体制狩り)から今日まで何も変わっていない」と李氏は言う。

中共の性質について、李氏は「創立から延安時代まで、中国共産党は国際共産主義​運動の指導組織であるコミンテルンの極東支部であり、コミンテルンに従属していた。その重要な決定事項や人事異動、いわゆる長征(1934〜36年にかけて行われた中共軍の大移動)などは、すべてコミンテルンの承認を得ていた」と述べた。

「このように、中国共産党は人民が自発的に形成した組織ではなく、完全に外国のエージェントだったのである」と指摘した。

赤い家庭と別れ、共産主義革命を否定

江西省南昌市出身の李江琳氏は、赤い家庭で生まれ育った。両親は中国人民解放軍第四野戦軍の工作団に所属し、中共政権樹立後は地方の高級幹部となった。李氏はかつて、中共の革命が正義であると信じ、赤い家庭の特権を享受していた。

1966年に文化大革命が勃発すると、彼女の父親は反革命分子として労働キャンプに送られた。10歳の彼女はやむを得ず父親と縁を切り、母親と一緒に田舎で暮らすことになった。一家が再会できたのは1970年代半ばである。

長年の考察、資料収集、歴史の証言者との対話を通じて、李氏は中共政権への理解を深め続けてきた。「中国共産党の歴史を知れば知るほど、共産主義革命を徹底的に否定するようになった」と語った。

「私の両親のように、中共政権の確立に重要な役割を果たした人々は、その後の政治活動で次々と罰せられてきた。あまりにも対照的なので、共産主義革命の意義は何だったのかを考えなければならない」

李氏は、「私たちは、共産主義革命を完全に否定すべきだ。これは、私のような赤の家庭に生まれた人間が、多大な矛盾と激動の末に出した結論である」と強調した。

中共に洗脳された母親

李氏はインタビューで、母が中共に忠誠を誓っており、娘がなぜ「反動分子になったのか」理解できないと語っていた。以前、彼女は母親に「この革命は間違っている」と説明したこともあったが、母親が自分の思考パターンから脱却できなくなっていることに気づいたという。

「母は18歳の時に入党した。彼ら(中共幹部)は、この組織(中国共産党)に入った時点で、徹底的に洗脳された。この組織は彼らの全てだ。組織が彼らに指示や行動指針を与えなければ、彼らは何もできず、何をすべきかもわからない。母は90歳になった今、他の思考パターンを受け入れることはできない」

李氏は、「母は晩年に渡米し、8カ月間私と一緒に暮らしていたが、毎日、中国国営中央テレビ(CCTV)のニュース番組を見ていた。もちろん、他のものを見るように勧めたが、彼女の心を根本的に変えることはできなかった」と述べた。

「しかし、私が言えるのは、これは私の道ではないということだ。私はこのすべてを排除することを選んだ。私は(中共の)政治的遺産を受け入れることはできない」と力説した。

李江琳氏は、1982年に復旦大学で英語の学士号を、1988年に山東大学アメリカ文学研究所で修士号を取得。同年に渡米し、ブランダイス大学でユダヤ史の修士号を、ニューヨーク市立大学クイーンズカレッジで図書館学の修士号を取得した。

米国在住の李氏は、『1959ラサ!ダライ・ラマはいかに脱出したのか』『鉄の鳥は空を飛ぶ:チベット高原の秘密戦争1956-1962』『チベットへの秘密の旅』などの著書がある。同氏は現在、中国当局から入国を禁止されている。

(翻訳編集・王君宜)

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