米国とメキシコの国境からテキサス州の大都市に向かう貨物列車の底には、いくつもの穀物貯蔵タンク(籾入れホッパー)が付属している。穀物を排出するために逆四角錐の形になっているが、国境警備隊(CBP)職員が下部のふたを開けると、底部に身を潜めていた不法移民が次々と現れた。その数は21人にも及ぶ。
BORDER THREAD: Border Patrol stops train near Uvalde that are coming from Mexico via border town Eagle Pass in Texas.
— 21 Mexican illegal alien males drop out of grain hopper.
— 4 Honduran males hiding in other cars. pic.twitter.com/uNMlOeSLud— Charlotte Cuthbertson (@charlottecuthbo) June 21, 2021
This is still the 21 Mexican male illegal aliens coming out the bottom of the grain hopper. Many of them said they were trying to get to Houston. pic.twitter.com/DYsKGYytOv
— Charlotte Cuthbertson (@charlottecuthbo) June 21, 2021
国境から60マイル(96キロメートル)離れた同州ユバルディ市にある列車検問場のCBPはいつも忙しい。不法入国者の数はかつてないほど増加し、手錠や輸送手段が常に足りなくなっている。人手も不足している。
検問場に列車が近づくと、CBPは、列車からあわてて飛び降りる不法入国者の姿を目にする。捜査官は追いかけるが、不法入国者は散らばったり隠れたりするので、全てを捕まえるのは困難だ。
5時間の間に国境警備隊が停車させた4つの列車のうち、捜査官は少なくとも43人の不法入国者を逮捕した。2人を除いて全員が男性だった。ほとんどはメキシコ出身で一部はホンジュラスからだった。ナイフを持っている人もいた。
不法入国者の再犯率は、現在、例年の2倍以上となっている。CBPによると、5月に逮捕した者の38%は、過去12か月間に少なくとも一度は不法入国を試みた人物だ。CBPによると、過去5年間の年平均の再逮捕率はおよそ15%だった。
不法入国者数は、昨年10月以降増加している。ジョー・バイデン大統領就任後の今年2月に急増した。5月にCBPが逮捕した不法入国者の数は18万3400人で、単月としては過去21年間で最多となった。
イーグルパスからユバルディまでの列車だけではない。昼夜を問わず、貨物列車がメキシコから米国のエルパソ、ラレド、ブラウンズビルの各都市に向けて出てきている。不法入国者は、通関手続きのなかで列車が検査やX線検査を受けた後に乗り込むことが多い。
CBPは6月5日、テキサス州ヘブロンビルの検査場で、国境警備隊が籾入ホッパーの中で25人のサルバドル人を発見したと発表した。CBPは22日の記者会見で、「不法入国後に米国内に移動するこの危険な方法は、重傷や死亡につながることが多いため、強く推奨しない」と述べた。
国境警備隊は5月10日、コーパスクリスティ近郊の籾入ホッパー内にいたメキシコ人とグアテマラ人24人を逮捕した。
大紀元はCBPに対して、こうした列車に潜み不法入国を試みる人の数の開示を求めたが、記事発表までに回答は得られなかった。
テキサス州のグレッグ・アボット知事とアリゾナ州のダグ・ドゥシー知事は、6月10日、他州の知事に協力を呼びかけた。2知事は書簡の中で「多くの協力があれば、州や連邦政府の犯罪者が各州で問題を起こす前に、犯罪者を逮捕することができる」と書いた。
これまでに、フロリダ州、ケンタッキー州、ネブラスカ州、アイダホ州、ジョージア州、サウスカロライナ州、オクラホマ州の知事が、警察官や州兵を派遣する形で支援を表明している。
(CHARLOTTE CUTHBERTSON/翻訳・小蓮)
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