リトアニア、台湾に代表機関設置へ 大臣「中共の制裁を恐れず」

2021/07/10
更新: 2021/07/10

リトアニア当局は6月下旬、台湾で代表機関(大使館に相当)の設置を計画していると発表した。経済イノベーション大臣であるアウシュリネ・アルモナイテ(Aušrinė Armonaitė)氏によれば、今年10月までに設置を目指すという。同氏は「中共の制裁を恐れない」とドイチェ・ヴェレ(DW)の取材に対して述べた。

アルモナイテ氏はさらに、「リトアニアは中共の香港、チベット、台湾での施政を無視してはいけない」と強調し、「中共の政策は基本的な人権に反するものであり、見て見ぬふりしてはならない」と付け加えた。

リトアニアでは昨年10月の選挙で、台湾に友好的な新しい連立政権が誕生した。以降、台湾との関係を縮める施策を続けている。

今年3月、「リトアニアー台湾フォーラム」を設立した。5月、中国が「一帯一路」で経済協力を結ぶ欧州諸国と設立した協力枠組「17+1(17プラス1)」からの撤退を発表し、台湾のWHA参加を支持していた。さらに、中国新疆ウイグル自治区におけるウイグル人の状況を「ジェノサイド」と認定する決議を可決した。最近では、台湾に2万回分のワクチンを寄贈した。

ヴィリニュス大学・国際関係政治科学研究院のアンドリヤウスカス・コンスタンチナス(Andrijauskas Konstantinas)教授は、台湾とリトアニアの二国間関係の強化のために働きかけている専門家のひとりだ。

教授によれば、現在、リトアニア国内では、アジアにおける外交政策は中国重視から多様な方向へと移行しなければならないという共通理解が得られているという。リトアニアと中国の関係は、人権状況や国際的な拡張主義などにより遠ざかりつつある。

同氏は、外交の拡大は現政権の選挙時の政治的な主張であり、最近の対台湾政策においても、リトアニア政府が示す原則に従っていると強調した。

(翻訳編集・蘇文悦)