北朝鮮からの攻撃防御として「アイアンドーム」型防衛システムを開発する韓国

2021/07/14
更新: 2021/07/14

韓国防衛事業庁(DAPA)が発表したところでは、韓国は2021年6月下旬にイスラエルの短距離防空システム「アイアンドーム」に類似した迎撃システムを構築する計画を承認した。同システムは北朝鮮からの長距離砲やロケット弾による攻撃に対応することを想定している。

韓国の人口5,200万人の約半数が居住する首都ソウルと周辺地域は、北朝鮮の長距離砲と多連装ロケット砲の射程内にある。 2020年末に韓国政府が発表した国防計画には、ソウルと主要施設を防衛する「韓国型アイアンドーム」の開発計画が含まれていた。

韓国防衛事業庁が声明を通して発表したところでは、6月28日に韓国の徐旭(Suh Wook)国防部長官主宰の防衛事業推進委員会で同計画が承認された。費用は2,600億円相当(2兆8,900億ウォン/26億米ドル)で、2035年頃までの完成を目指している。

同事業庁は、「同計画により、敵の長距離砲の脅威に対応する能力が強化されるだけでなく、韓国の技術を確立し、国内雇用を創出することが期待されている」と述べている。

韓国国防部(MND)の説明によると、パトリオットミサイル終末高高度防衛THAAD)ミサイルシステムなどの既存の兵器は高性能化している北朝鮮の短距離弾道ミサイルを対象としているが、新システムは長距離砲や多連装ロケット弾発射機に対する防衛を目的としている。

専門家等の見解では、北朝鮮が保有する1万3,600機の銃器や多連装ロケット砲の大半がソウルから約40キロ離れた軍事境界線の北朝鮮側に配置されている。

(Indo-Pacific Defence Forum)